第三弾・佐助(ヤンデレ)

いつからだろう俺様が姫に心を抱くようになったのは。
・・・いや、抱いてしまったのは強いて言うなら出会った時だろう。

わからないのは、嫉妬心。
姫である彼女はいつだって笑う。
そしてつられて、旦那も俺様も笑う。
城の中でも彼女の笑顔は全ての兵の憧れであり、極楽だった。



『佐助!』
『佐助、佐助佐助!』


何度この名を呼ばれたことだろう。
ただ彼女が年を取るにつれて、俺様以外の名を呼ぶことが増えた。


『幸村!』


例えば旦那。
表にいるのだろうから、それは当たり前。
こっそりと夜に会える俺様とは違う。
だけど旦那だとて嫉妬する理由に事足りる。
いや、大将に近いからこそ旦那には無意識のうちに何度も黒い気持ちを向けてしまっているだろう。

それだけ彼女を−名前姫を愛していた。






「佐助、どうして…どうして私に小刀を向けるの?」
「大丈夫、危害を加える気はないよ」
「本当?」
「姫が黙って俺様の言うことに従うなら、っていう条件付きだけど」

そう言った瞬間に彼女の顔が引きつった気がした。
彼女に優しくしたことは何度もある、というかそれが当たり前だった。
時には保護者のように悩みを聞いたこともあった。

だけど今、俺様は彼女を押し倒し、男の瞳で彼女を見ている。


「私何か怒らせるようなことしたの?」
「んー、そうだね、他の男の前で笑顔振りまいてるの?
 好きなの?誰か好きな奴がいるの?
 誰なの?誰が好きなの?俺様言ったよね、あんまり多くの男に気を持たせちゃダメだって、言ったよね?」
「さ、佐助…?
 私、好きな人なんて…」
「じゃあ何で気を持たせちゃうの?
 そんなに男に飢えてるの?」

彼女が言したり効きそうになるならば俺様がはしたないと話を終わらせたり、彼女の耳を塞いだりしていたような言葉。
俺様の口から出るのは予想外だったのか、彼女も顔を赤くしながらふるふると震えている。

「は、破廉恥なっ、さ、佐助っ!」

いつもならそんな姿の彼女を落ち着かせるのは俺様の役目。
だけど生憎そんな気はなかった。

「何、慰めて欲しいの?」
「なっ、佐助、いい加減に−」
「五月蝿いよ」

既に恥ずかしさで涙目になりそうな彼女の顎を取り、唇を重ねる。
最初は抵抗してきたけれど、舌を軽く噛めば力が抜けたのか抵抗が止んだ。


「俺様は欲しいよ、姫が欲しい。
 例えすべてを無くしても姫が欲しい」
「え、そんな」

まだ頬を赤く染めている彼女は何が起こっているのかもよく理解ができていないんだろう。
健気で、何も知らない彼女。

何も知らないことをいいことにもう一度唇を塞ぎ、持っていた小刀で彼女の着ていたものを切り裂く。
露わになった白い体躯に俺様の頬が勝手に緩む。

「ずっとずっとずーっと一緒だよ、ね名前」

名前を呼んで頬を撫でると少し震えた。
いつごろから嫉妬心を持ったなんてもう問題じゃなかった。
ただこれからどうやって彼女を隠しきるか、に考えるに尽きる。
そして、強張り、引きつった顔をする彼女に全身の熱が沸いた。




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第三弾ですが初佐助だったりします
ツイッターじゃヤンデレ佐助ふおおおおって流してましたからね←
ヤンデレですね、ヤンデレですかね?
アンケートにご参加ありがとうございました!!



  


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