07

昨日長曾我部の有難い個人指導を約束し、今日学校が終わってから長曾我部を家に呼んだ。
こうして考えてみると慶次以外に男子を入れるだなんて初めてだなあと思うが、我ながら恋愛小説のように緊張してしまう・・・だなんてことはなく、少しいろいろと考えさせられることとなってしまった。
結局は恋愛小説的には好きな人を家に連れ込むから緊張するんだ、私が緊張する意味はない、そんな結論を自分の中に出して長曾我部をリビングに座らせた。


軽くお茶や菓子を用意し、机に向き合う。


「じゃあよろしくお願いします」

「おうよ、まあそんな固くならなくてもいいからよ」


敬語に違和感を感じたのか、長曾我部が軽く笑った。
私としては家で喋ることは担当のかすがさんか、たまに帰ってくる父さんぐらいだ。
敬語が慣れているのだから仕方ないと、ちょっとむっとしてしまったがここで気にしても仕方がない。
普段通りにうん、と頷くとそれでいいと言うように頷かれた。



「じゃあまずな、聞いておくが、だ。
 優しいのと厳しいのどっちがいい?」

「・・・はい?」

「別に変な意味はねえよ。
 ただお前さんがどっちなら頭に入るかっていうことだ、やべえんだろ理系?」

「そうだね、別に私変なこと考えてもないんだけど。
 でもそうは言われてもどうなんだろ、私・・・ああ、そうだ。
 締め切り前のかすがさんぐらいの怖さがあれば何でもできる気がする、うん厳しい方の方が身には付く」

「わかった、じゃあちゃんと付いてこいよ?」

「うん・・・・・・でもちょっとぐらい優しくしてくれても・・・」

「今からこの問題1時間以内に終わらせろや」


うん、まさかの私の最後の言い分も無視だったよ?
私の為にだということはわかってはいるけれど、わかってはいるけれど!
それはちょっとあんまりではないかと思ってしまった。

でも今更どうせ何か言ってもなんか怒られそうな勢いだったので黙って問題を見つめた。
ああ、もう数字やアルファベットなんて見るだけで気分が下がってしまうのだけれど仕方ない。
大人しく数字やアルファベットが羅列する問題集と1時間にらめっこすることになったのだった。






  


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