33

「さあもう文化祭は直前ですよ!!」


文化祭が近づけば不思議と全員が団結してくる。
劇の配役には不満そうだった鶴の字ガッツポーズを可愛らしく決めてる。
斎藤はというと鶴の字見守りながら笑っている感じだ。


あれから斎藤とは挨拶程度なら交わすけれどまともにしゃべってなかった。

いつからなんだろう。
俺の中での斎藤がわんわんから斎藤という一人の女子にとして見てしまったのは。




一緒のクラスになって公平に接してくれたわんわん。

勉強教えたら予想以上にできてたわんわん。

夏休み祭りに一緒に行ったわんわん。

守ってやらねえといけねえんじゃないかと思わされるほどに弱って泣いていた斎藤。

無意識に俺の言葉を台本の中に入れた斎藤。

泣きながら俺のことを好きだと言ってくれた斎藤。




喜怒哀楽の激しい表情を思いだし、自然と笑いがこみ上げてくる。

俺もなかなか単純な男だ。
よく斎藤みたいな奴に好きになられたなと思ってしまった。







  


×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -