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「まず私の恋愛は叶いそうにないからなあ」

「ああ、アレート・・・だったか?」


そういえば長曾我部にそんな話したなあと過去を懐かしむ。
あの日、長曾我部に学校に内緒にして小説書いてるってばれてからしばらくして教室で私がリア充爆ぜろとかそんなことを言ったとき。

所謂乙女ゲームのキャラクターで。
乙女ゲーム好きだけど腐ってる物の好きな私としては好きなんだけどまた違うというか。


「いや、アレーとはお嫁さんだからね・・・。
 別に私以外の女の子とか男といちゃいちゃしてても微笑ましいし、お嫁に来てくれたら確かにテンションはあがるけど私ぶっちゃけ皇族満足させられるような甲斐性とかそういうのないから」

「お、おう・・・じゃあ学校のやつとかか?」

「うん」


素直に頷いてみれば驚く表情が見えた。
私自身確かにこの高校生活で恋愛なんてするなんて一切思っていなかったもん。


「叶わねえのか?」

「その人既に彼女がいると思ったら違う人が彼女になってるわ。
 それでも優しいし、かっこいいし、一緒にいてドキドキするけどすごく心地いいし」

「斎藤も大変だな」

「・・・鈍感」

「へ?」


彼女がいるかどうかで鈍感かどうかが決まるとかそういう問題じゃないよね。
長曾我部鈍いよね。
気付くわけがないよね。


「でもよ、彼女いなくなったら告ればいいんじゃねえの?
 そんなの当たって砕けろだろ」

「それでぎくしゃくするのが一番嫌なんだよなあ・・・慶次とも仲いいし。
 長曾我部は何も思ってない女子から告白された後何も思わない?」

「まあ相手次第だろうがいつも通りがやっぱ一番じゃねえの、相手にとっても俺にとっても」

「本当?」

「おう」

「絶対?」

「ああ」



長曾我部の返事は本当に単純なものだった。
だけどそれが私にとって少しだけ勇気になる。


「なんかその言葉に救われたし、将来さえもっと安定すればなあ。
 母さんは経験そんなにないだろうに書けたけど私年重ねてない分ちょっと不利だし・・・」

「なら今度の休みどっか遊びに行かねえか?
 俺でいいならデートでも何でも付き合うぜ」



ん・・・?
え、嘘・・・。

無心になろうとしても頭の中であふれる『デート』という言葉。
勿論、遊びに行くとかそういうので言ってることはわかってる。
だけど、それはまた期待してしまう自分がいる。



「あ、慶次も連れてくか?」
「え、あ・・・だよねー、長曾我部は慶次も一緒がいいよねー」


そうだよね、うん。
長曾我部に彼女はいるし。
慶次に彼女がいないことに関して悪いと思ってる。


「いや、俺は別にそういう訳じゃ―」
「ごめんね、私のために。
 でもよろしくお願いします」




こうして休日馬鹿みたいにそわそわする私が簡単に思い浮かぶのだった。








  


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