願い事(朋子さま/政宗/甘々)










今年も七夕が来たと私は一人星を見ていた。
周りには誰もいないので静寂が広がりらしくはないが風流だと言ってみる。


「政宗様、どうか御無事で・・・」


本当は一人で見るはずではなかったけれど。
それでも政宗様が戦から戻ってこないから仕方ない。





政宗様と会ったのは1年前の七夕だった。
城を抜け出して此処で同じように星を見た。


来年も一緒に、そう約束はしたが肝心の本人は戦に出てもう2か月だろうか。
もうそろそろ戻るころだとは思うけれど、一般庶民の私には戦の事なんてよくわからない。
ただどうか無事に戻ってきてくれと星に祈るしかできなかった。



「政宗様のことばかり考えるなんて・・・」


自分に溜息をついた時だった。
馬が走る音が聴こえてきた。
よく聴いてみればこちらにむかってるようで、誰かと思えば政宗様だった。



「名前!」
「ま、政宗様っ!!」


戦帰りだったのか衣がどこか汚れている。
それだけ政宗様は民を守ろうと戦ってくださってるのだと思うと何もできない自分が悲しかった。


「よくぞ御無事で・・・」
「Ah?俺が約束も守らずに簡単にくたばるとでも思ってんのか?」
「そんなっ・・・。
 というより約束覚えてらしたのですね、覚えていたのは私だけかと」


正直意外だったと言ってみれば、政宗様は苦笑し私を抱きしめた。


「政宗様っ!?」
「アンタもほんと俺のことが好きだよな」
「なにを、仰って、」


まさかそんなくどい言い方もせずはっきりと言うものだから、うまく口が回らずそれが図星だということを勝手に示していた。


「好きだろ?」
「・・・・・・好きですけど」


恥ずかしくて黙ってしまった私に更に追い打ちをかける政宗様に、何故か黙っていることもできたはずなのに素直に答えてしまった私。


「どうせ好きだって仕方ないんですけどね」


気持ちがばれてしまっては気まずくなるだけだと思った私はあははと軽く笑ってみたが、政宗様は表情一つ変えずに言った。




「俺の願いは二つだ。
 国家安泰・・・、名前を嫁に迎えることだ you see?」
「私を?」
「幸せにしてやる」


政宗様の願いが私なら、私の願いもひとつだった。


願い事
(どうか一つだけ・・・生涯を共に過ごせますように)
(彼女の全ての願いを叶えられますように)





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朋子さまからのリクでした!
なんか甘々かどうかはわからなくなりましたが政宗様でした〜
ありがとうございました!!





  


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