えりんぎ様/元親/学園/幼馴染

家がお隣同士だと何かと一緒に行事を楽しむことが多い。
例えば初詣とか、バレンタイン、ホワイトデー、七夕、クリスマス・・・
それも子供同士の歳が同じなら尚更。


「本当に母さんはこっちの用事も考えずに押し付けるんだから」


今日は七夕。
部活がやっと終わって暗くなってきてるのと、うちの家は毎年お隣の長曾我部家と一緒に星を見るから早く帰ろうとした時だった。

携帯を見れば母さんからお使いのメール。
ひとつため息をこぼした時、電話が鳴った。
よく知る相手にちょっと元気をもらいながら急いで出た。


「もしもしちかちゃん」
『名前まだ学校か?』
「うん、学校」
『なら今から屋上来てくれ』
「でも今日七夕・・」
『大丈夫、すぐに済むからよ』


結局電話は一方的に切られた。
だけどまあいいかと思いながら屋上へ続く階段を登る。

登りきって勢いよく扉を開ければ仰向けで転んでいるちかちゃんが見えた。
それと同時にいくつかの星が輝いているのが見えた。


「こっからでもなかなか綺麗だろ?」
「うん・・・」

隣に転ぶと星が綺麗に見えるけど、17年間一緒に星は見てきたけれど二人きりで見るのは初めてだと思ってちょっぴり緊張する。


「ちかちゃん今日はどうしたの?」
「家族で見るのもいいけどよ、名前と二人きりで見たことねえなって思ってな」
「そうだね、一緒のこと考えてた」


そうか、とちかちゃんが呟いて私の方をじっと見つめた。

「な、何?」
「なら、今俺の考えてることなんだと思う?
 ・・・その反応じゃわかってねえな、これだから幼馴染って関係はいいもんだけど複雑なんだよな」

ぶつぶつと何か言い出したちかちゃん横目にこっそり星を見る私。
やっぱりちかちゃん綺麗な顔してて背景の夜空が凄く似合う。


「ちかちゃん綺麗だよ」
「な、何言ってやがる!? 
 言っちまうが確かに名前がそういうの何も考えずにわかってる。
 だけどな、名前。俺はお前さんが好きなんだ、だからそういうこと言われたらどういう反応すればいいのかわからずにこの17年間悩んできた」
「そんなことを17年間・・・・・・・・・え!?」


今ちかちゃんから出た『お前さんが好き』だという言葉。
嘘じゃないかと頬をつねってみるけど嘘じゃない。


「俺はずっとずっと名前が好きだ」

距離をつめたちかちゃんの唇が私の額に触れたのを感じた。

「まあ二人きりになりたい男心から好きだっていうことをわかって欲しかったりもするけどな」
「恋は盲目って言葉があるでしょうがばーかばーか、ちかちゃんのばーか!」


舌を出して「べー」と言ってみればちかちゃんが予想以上にびっくりするものだから今度は私から抱きついてみせた。
まだまだ暑い日だというのに抱きついた時に感じたちかちゃんのぬくもりは不思議と不快じゃなく、むしろ心地よかった。




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えりんぎ様お題ありがとうございました!!
そして本当に遅くなってすいません!!
私幼馴染大好きなのですごく楽しんでました笑
楽しんでいただけたら嬉しいです、改めましてありがとうございました('∀`)




  


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