千佳様へ/元親/学園

「小さい頃は随分と可愛かったのね」


彼氏の実家に笹と飾りとかあるから七夕に一緒に星を見ようと誘われ、用意を手伝いに来たんだけど。
飾りが入った箱の中、古びた紙が一枚。
『おおきくなったらおよめさんになる もとちか』そう書いてあった。


「それどこにあったんだ!?」
「えっと飾りの中に」
「ってち、ちがう、それは俺の妹の―」
「妹さんの名前が元親?」


隠そうとしてたみたいだけど、その焦り具合だけでもうモロバレというか。
というか私としては幼少期の元親に完全に女子力とか乙女心とか負けた気がするんだけど。
元親がどうとかじゃなくて、まず敗北感が大きいんだけど。


「元親、私はそんなに気にしてないから大丈夫だよ」
「ちっとは気にしてるってわけか?」


どこか少し心配そうに聞いてくる元親。
もしかしたら今の時点で負けてたりして、なんて思ってさらにダメージを受ける私。


「うーん・・・今もお嫁さんになりたいって思ってる?」
「今は名前を嫁にもらいてえよ」
「なら良し!」


思わず嬉しくて元親に抱きついた。
驚いてはいたけれど、ぎゅって抱きしめ返してくれる元親がやっぱりかっこよくて。
少しは昔の雰囲気の元親を見てみたいと思うけれど今のままで私は満足しているのだった。





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ご参加ありがとうございました!!
遅くなってすいません!!
もう本当今の時代に元親が欲しいよとかうんうん唸りながら考えてましたので楽しんでいただけたら嬉しいです(゚∀゚ )←



  


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