より様へ/元親/現代

「今日は晴れてよかった〜」


ベランダから夜空を見上げれば満天の星空とは言わないけれど星がちらほら綺麗に見える。
今日は七夕。
一年に一度織姫と彦星が会うことのできる日…そういうのを真面目に信じているというわけでもないけれど、なんとなく晴れて欲しいと願ってしまう。


「ふたりは会えそうか?」


しばらくベランダで星を見ていたらいつの間にか部屋でテレビを見ていた元親が来た。
仕事疲れもあるんだろう、少し眠そう。


「ちゃんと会えるよ、うん」
「名前…もう俺と過ごす時間は慣れたか?」
「へ?」
「まだ恥ずかしいとか思う感情が残ってるかってことだ」


元親といると恥ずかしい…
そんな感情は残っているのは残っているのだと思う。
いくら年月が経とうともそれは変わらない気がする。


「織姫よりは慣れてるかもね、ずっと一緒にいる分」
「でも…」


言葉を紡ぐ元親の方を向いた瞬間に塞がれた唇。
触れているのは唇だけだというのに一瞬で顔全体が熱くなる。


「やっぱりな。
 この恥ずかしがり屋め」
「だって元親がいきなり!」
「…ははっ、なんだかこんな会話したことあるような気がするな」
「言われてみれば私もそんな気がする」


もしもずっとずっと昔にも本当にこんな会話していたのだったら私はその時にも思ったんだろう。


”元親の愛をまともな顔して受け止められる訳がないんだ”


と。


「元親…ずっと一緒にいようね」
「あったりめぇよ」


たった一言。
だけど、その言葉が私の胸にぎゅっと染み込んできた。




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お久しぶりです(*^。^*)
今年もご参加くださいましてありがとうございました!!
昨年の二人の現代ということでお楽しみいただけたら嬉しいです





  


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