「・・・はあ」

結局理さんに休部届けを提出してしまった。

今日先生と普通に接しられたらこれからも今までどおり頑張ろうと思っていた。

でもやっぱりそんなこと無理だったわけで。
先生が好きで、大好きで、ずっと同じ距離感だった気もするけど今以上に離れるなんて嫌だった。
いっそ先生を見ないほうがずっと苦しまなくていい・・・だなんて思ってしまって一応のために持ってきた休部提出を出した。

理由は身体的な理由だとか嘘をついた。



ああ、弱い。

剣道やってるくせに・・・。

今までどれだけ負けたって、悔しくたって、それをばねにできたのに。
今回ばかりはどうにもならない。

自分が情けなくて仕方ない。


先生がたとえ私のことを、私が想っているほどに想ってくれてなくたって簡単にはどうにもならない。
先生を想うだけで凄く幸せだった。


きっと先生が私に弱いところを見せたところから何様だとかは思うけれど放っておけなくなって。

支えてあげたいとか思って。

抱きつかれて嫌じゃなくて。

先生に告白された途端に顔が凄く熱くなって。

ああ、私はいつの間にか好きになってたんだなって気づいて。

先生といる時間が心地よくて。

・・・そして、いつの間にか私は焦がれていた。
他でもない先生に。



それでも先生に迷惑はかけられない。
私のわがままで先生に迷惑をかけるぐらいならば、私の好きなものひとつ諦めるぐらい苦ではない、とは言い切りはできないけれど先生のためならば耐えられる。

それでも本当は、私がもっと強かったら残っていられた。

ああ、私は本当に弱い。
部屋に篭もりながらむしゃくしゃした。


先生は情けない私を見たら幻滅しちゃうのかな・・・。
それとも、叱ってくれるかな。

怒鳴り声を思い出しただけで泣きそうになるほどに先生と会えなかった期間が大きかったのだと実感した。




  


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