合宿が終わって数日経った日。
朝先生アドレスからメールが来た。

『今日会えるか?』

一言で終わりを告げたメール。
もう少し何かないのかと思ってはしまうが、先生らしいと言ったら先生らしい。
私は苦笑しながら『暇です』とメールを送った。

すると返信はすぐに返ってきた。
またも一言で『昼に家まで迎えに行く』とだけ来た。
私も人のことはあまり言えないけれどやっぱり短いなと思う。

一度だけメールについて先生に聞いたことがあった。

『先生っていつもメールがシンプルですよね』
『Ah-? もっと書けってことか?』
『そんなつもりはないですけど、思っただけです』
『まあ・・・・・・そういうとこで得意じゃねえんだよ、俺は』

先生が言うには先生にはメールなどを送る上で苦手な人が3人いるらしい。
一人は片倉先生。
もう一人は理さん。
そして最後に私。

はじめの二人についてはろくなことを連絡しない上に言葉遣いがなってなかったらいろいろと忠告されるらしい。
それはまあ納得ができる。
それで何で私なんだろうと思ってたら、我ながら聞いている方が恥ずかしかったけれど。

『まともな感情で女と付き合うなんてな、思ってもみなかったから。
 余計な言葉増やしてkittenを傷つけたくないからな』

そう言われて、どういう言葉を返せばいいのかわからず、先生が私を笑ったのを覚えている。
まあ元親さんとか幸村さんとか佐助さんとかに至ってはもうどんな言葉を言っても大丈夫だろうということで散々に言っているらしい。
そう言うこと考えると私との距離がまだちょっとあるんだなって思う。

大事にされてるんだと思うことは・・・正直ある。
でも、だからと言ってだ。
私だって先生に気軽にからかうわれるぐらいの位置にいたいし、欲を言ってしまえば私だってもう少しだけでも近づけたらいいなと考えている。



「そろそろ私も頑張らないと・・・!」

お付き合いを始めたくせに、してきたことは少ない。
高校生にもなってキスなんかほっぺどまりだ。
これはもう致命傷だろう。


今日、せっかく会うんだから。
先生が先生である以上、私からしか手出せないのが普通なんだから。
本来は手出しちゃいけないんだけど・・・。

今となっては関係ない!!!!


「本気で離したくないとか、言わせてやるんだからなっ」

私は携帯のディスプレイに移る先生のメールに指をさし、いつも以上に気合を入れて服を選んだ。





  


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