その夜先生に呼ばれ、先輩たちが今頃王様ゲームやってるであろう大広間がある本館ではなく、離れにいた。
なんだかんだで大人たちには関係が知られているのでノリで大丈夫だと言われた。

そうとは言っても大人が集まってすることとはまあ・・・お酒飲んだりみたいなわけで。
わいわいとお酒飲んでる中、私はひとりジュースを飲んでいた。


そんな中だった。
「俺らもちょっくら遊んでみるか、このメンバーで」
元親さんが王様ゲームを薦めた。


このメンバーなら変なことはしないと踏んだのか全員が了承した。
そして始まった王様ゲーム。


『王様だーれだ』
「あ、俺だな・・・まあ適当に」


初めに当たったのは元親さん。
少し考えるとすぐに命令を出した。


「2番が4番の好きなところを言う」


この時私が2番で、理さんが4番。
えと・・・好きなところ。


「全部です」
『っ!?』


その場にいた全員が咽た。
別に私変なこと言ったつもりはないのに。


「名前ちゃん・・・そういうのはね、好きな人に言うべきことなんだよ?
 というか男の人が女の子に言うべきことじゃないかな、なんか男前なんだけど」
「私とりあえず理さん大好きなので問題はありません!」
「・・・何この男前な子、まだこの歳なのに」
「kitten、女にもflagを立んじゃねえ!
 だからそういうのは俺がアンタに言うもんなんだよ」


何故か怒られてしまい、仕切り直しにもう一度札を戻した。


『王様だーれだ』
「私だってさ」


次は理さん。
まともなのが来るんだろうなとか思った途端・・・


「3番がね、2番を押し倒してちゅ〜・・・うふっ」


片手には御猪口。
いつの間にか日本酒に変わっていたらしい。
凄い酔ってるみたいだけど、大丈夫かな。
心配だったけど・・・私はそれどころじゃなかった。
酔っていると言え、命令だ。


そして私は2番。
誰を押し倒してちゅ、ちゅうなんかしなくちゃならないんだ。


周りを見渡すと3番の札を上げたのは伊達先生。
・・・ほっとしたような、してないような。
複雑だった。


「まさかこんなにも早く押し倒されるとはな」
「だ、黙ってくださいっ!」


早く済ましてしまおうと先生の肩に手を掛けた。
でも、だからと言ってだ。
力が入らない。
押し倒すなんて、そんな・・・そんな。


そんな時だった。
先生が私の体を思いっきり引き寄せると自然に私は先生の上に覆いかぶさっていた。
でも後ろにすぐ壁があったので軽くだ、ほんとに軽くだ、覆いかぶさってるのは!!


「ここからだぜ、kitten?」
「っ・・・・・・」


恥ずかしいに決まってる。
でも本当は願ったりかなったりだ。
したってちゃんと理由があったと言えるんだから。
・・・だけどこんなところでしていいのかな・・・・・・。
先生にいい加減な子だって思われないかな・・・、そこが心配だった。

すると先生、悟ったのか。


「名前、好きだ」


私の名前を呼んで好きだと言ってくれた。
そんな先生が愛おしくてたまらない。


目をぎゅっと閉じ、顔を近づけさせ、軽く額に口付けを落とした。
本当は唇にするべきだってことはわかってる。
でも唇は先生からされたいなんて思ってる自分がいたりする、所謂乙女心なんだと思う。


「名前・・・?」
「・・・・・・唇は、先生からが・・・いい、です」


私は素面だというのに。
雰囲気に酔ったのかそんなことを口走っていた。


先生は私をじっと見つめた後強く抱きしめた。
熱くなった顔は先生の胸に埋められ、鼓動が聞こえてきた。
鼓動はいつもより早く感じ、こんな先生見られるなんてと意外性を感じてしまった。


「Ha!今二人で過ごしたら襲ってたな。
 kissもkiss以上のことも合宿終わってからのお楽しみだ you see?」


耳元でそう呟かれ、今顔見られたくないとぎゅっと先生の胸に顔を押し当てた。
そんな時にも周りはいるのは仕方ないということで。
ちらりと覗いてみれば片倉先生は他の生徒を見てくると言い、長曾我部夫妻は・・・なんかもうさすがというか、いちゃついていた。


『もうほんと名前ちゃん可愛い〜』
『ま、俺にとってはお前さんが一番だけどな?』
『またまた、心にもないこと言っちゃって』
『夫が言ってること信じられないなんてな・・・仕方ねえな、この後はお仕置きだ。
 寝かせねえからな、今夜は』
『なっ』
『思う存分可愛がってやるからよ』
『ばかっ・・・』
『好きな奴を好きにして何が悪いんだよ?』
『私も好きだけどこういうのをこんなところで・・・』
『ったく、可愛いな、ほんと俺の嫁さんは』


長い・・・。
まだ続いてるし。


遂には私たちがいるというのに元親さんが壁ドンしてるし。
さすがにこんなところ入れる訳がない。
先生は私を抱え、部屋を出た。


私はただ片倉先生が危ないタイミングであの部屋に戻らないのを祈ってた。






  


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