名前が残ると言って仕方ないかと久々に手合せをした。
元からの実力があるから言ってみれば正直全国行けるとも思ってる。
だからその分もしこの関係がばれてでもしたら全国もおろか、大会にも出れなくなるんだろう。
こいつのことを考えたら元の関係に戻ることが唯一のことだとはわかってはいる。
だけどもう無理だった。
今の俺には名前がいないなんて考えられなかった。
「先生・・・?」
気付いた時には剣先が目の前にあった。
普段のこいつなら絶対に目の前で止めることなんかはないが、今の俺が止めても意識があまりないと判断したんだろう。
「悪い」
「私のことはいいんです。
ちゃんと休んでください、ここで倒れられても困るんですから」
「別に今回は後から元親も手伝いに来るとか言ってたから大丈夫だろ」
「そういう問題じゃないんです!!」
ほんとに罪だな。
わかってていってるならまだしも、わかっちゃいねえ。
「kitten・・・こっちこい」
呼べば素直に此方に来る名前。
こうやってる間が一番隙があるのかもしれない。
でも素直に来てくれる時ぐらいは雰囲気も壊されたくなくて、頬を撫でた。
「今日の夜全員寝静まったらここに来い、わかったな?」
「え?」
「昼間じゃゆっくり話さえもできねえだろ。
coupleらしいこともしたことがねえ understand?」
手は出さないと言った初めの約束は守るつもりだ。
こいつの為にも、俺自身の為にも。
まあ長曾我部夫妻はどうせ乳繰り合ったとしても。
まだこの関係の内は理性を抑えなきゃならねえことぐらいわかってる。
「約束ですからね」
ちゃんと見なきゃわからないぐらいに頬を染めた名前の言葉を受け、俺は夜を今か今かと待ち侘びていた。
昼間の練習は約5時間。
早く来い、と。
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