「これ以上くっつかないでください、暑いです、恥ずかしいです、半径5メートル以内に近づかないでください」



先生と一応付き合いみたいなものが始まり、一週間が経とうとしていた。
ばれるのを恐れてこの一週間こんな調子で先生に接してる。
さすがにやりすぎているところもあるのか周りの子たちには先生と何かあったのやら、嫌いになったのやら聞かれるけど。
自覚は正直なかった。
やっぱり先生に迷惑がかかるのが嫌だから必死になってた。


「ほんとkitten抜かりがねえな」
「ばれたら困るの先生ですよ?
 それとも私じゃなくてもいいと思えるようになりましたか?」
「んなこというなら唇、俺ので塞ぐぞ」
「だから半径5メートル・・・、すいません、癖でっ」

二人きりになったとしても所詮学校の中のことが多い。
だから雰囲気は変わらないからいつの間にか先生に随分とひどくなってる。

「ごめんなさい、悪気はなかったんです」
「大丈夫だ、俺だってわかってる。
 kittenがそうやってんのも俺の為だろ」
「でも本当に先生の為を考えるなら付き合うなんてやめた方がいいんでしょうけど・・・私の我儘もあるのでごめんなさい」

私がもう少しそういう恋愛事の経験があればいい方向にどうかなってたかもしれない。
でも残念ながら今はこれで精一杯だ。

「kittenの我儘は俺の我儘でもあんだ。
 それに俺の為ならそんなこと言うなよな you see?」

そう言って私を宥めるように先生は頭を撫で、体を抱き寄せた。
ああ、本当先生の前だと自分自身がどんな顔してるのかも、どんな態度取ってるかもわからないほどドキドキが止まらない。


「学校でずっと一緒にいられるなんて思ってねえよ。
 だから今度うち来い」
「はいっ!」
「あ、それにもう夏休みだからな。
 うちの部活は夏合宿あるから覚悟しとけよ」
「え、覚悟?あ、はい!」




この時先生が言ってた覚悟のことなんてまったくわからなかった。
一緒にいられるんだって思っただけで凄く浮かれてたから。

夏休みまであともう少し。
先生といられるから部活も頑張ろ・・・・。


「じゃあな」
「じゃあまた部活で」

私が先に部屋を出た。
その後ろで先生が手を振ってくれてるが私が必死で真顔にならないといけないから少しやるせない気持ちになってしまった。







  


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