結婚式が終わるころ、伊達先生と私は二人で元の所に帰って来たんだけど。

「あれ、竜の旦那、名前ちゃんと手繋いでる〜」
「ま、政宗殿、破廉恥でござる!!」

佐助さんにからかわれ、幸村さんにそう叫ばれてはさっきのことも時間の流れでばれた。
教師と生徒なのになぜか誰も驚かないし。

「田村さんにも春が来たんだね。
 じゃあはい、このブーケあげる」

斎藤先生ー・・・じゃない、もう長曾我部先生だ。
長曾我部先生に投げるはずのブーケを渡されてしまった。

「ありがとうございます、えっと長曾我部先生」

お礼を言うと恥ずかしそうに頬を染めた先生。
その先生の様子に元親さんも笑ってる。


「ちょ、長曾我部って・・・・・・・・・たしかにそうなんだけど・・・」
「おいおい理、何照れてんだよ。 
 お前さんももう長曾我部なんだぜ」
「そ、そうだけどさ・・・何かこうやって実感すると恥ずかしいっていうか」
「んなこと言ったてお前さんはもう俺のものだ」
「元親・・・」
「理・・・」


そんな感じでのろけられたものだから二人の世界に入っている間に伊達先生の方に戻った。

「kitten、顔赤くしてどうした?」
「べ、別に赤くなんてないですけどそうやって顔凄く近い距離で除くのはやめてください!!」

否定するけどすぐにわざとか顔を近づけて覗き込んだ先生。
笑っているところを見ると確信犯だ。

「政宗も気を付けねえとばれちまうぞ」
「そのへんアンタらと違って抜かりはねえよ」
「なっ、私たち別にばれて・・・ないこともなかったんだっけ? 
 そうだ、田村さん私のこと別に下の名前で呼んでもらっていいよ、元親の元親さんみたいにさ。
 私も名前ちゃんって呼ぶからね、後輩として」

後輩というのは伊達先生の関係みたいなものなんだろう。
確かに後輩と言えば後輩かもしれない。

「理さん・・・いろいろと教えてくだされば嬉しいんですけど・・・・・・・
 なんだか名前呼びだと私が照れちゃいますね」
「もうそんな可愛いこと言って」

ふとちらりと伊達先生の方を見てみると唇を動かしていて「名前」と言おうとしてるのがわかった。
これはさすがにkitten以上に恥ずかしいんだけど。


「伊達先生・・・至らぬ点はたくさんあるとは思いますがこれからもよろしくお願いします」
「ああ、でもそんな固くなるなよ」
「わかりました。
 という訳でこれから学校ではもっと今以上に距離取らなきゃですね。
 私も本気ですから」
「何・・・だって?」
「ですからばれたら先生の首も飛んじゃいますから」

先生が少し止まり、口を開いたかと思ったら凄い勢いで抱きしめてきた。
軽く痛い・・・。

「・・・・・No!!」
「いやいや、ノーじゃないですよ」
「じゃあ俺に欲求不満で死ねと?」
「学校だけですから」

仕方なくそう呟くとニヤリと笑った。
その笑みに寒気がしたのは気のせいだろうか、いや気のせいじゃなかった。

「OK. Privateでは覚悟しとけよ」
「覚悟って何ですか!覚悟って!
 私何されるんですか!?」
「それは・・・まあお楽しみだ」

また笑った先生の笑みに寒気がしてきた。
それでも拒めないのは私の方も好きだと実感してしまったからなんだろう。


「kitten」

それでも公共の場でこうやって恥ずかしいことされるのは切実にやめてほしいんです。
そうは言えずに我慢させられる私も甘いのなんのやら。





  


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