朝起きると隣に裸の元親が寝ていた。
昨日のことを思い出しただけで何やってるんだろうという何とも言えない気持ちが込み上げてくるが、とりあえず今日は溜まった仕事にけりもつけないといけないのでベッドから出た。
ベッドから出ると自分も裸なのに気づき、急いで浴室に入りシャワーを浴びて服を着た。

それから、朝食を軽く作り、問題人物のである元親の寝ている寝室へ足を運んだ。
もうそれなりの時間だというのにスースーと寝息を立てている元親。
これで鬼じゃなかったら私でも喜んでるところかもしれないのに。
何だか無性に悔しくなった。


「元親、朝だからもう起きなさいよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「早く起きて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん、・・・もう朝か?」

目をうつらうつらさせながらこちらを見上げた。
本当にこの鬼は・・・。

「そう、もう朝。
 それで朝ごはん食べる?」
「・・・お、おお。
 悪いな」
「悪いと思ってるなら契約破棄がいいんだけどね」

もう引き返せなさそうだし今更何か言うつもりはなかった。
元親の方も私がわかってると思ってるんだろう、ははっと少し笑ってベッドから体を出した。


元親がベッドから出れば勿論全裸な訳で。
目のやり場がなくなった私は無理やり元親の腕を掴み浴室へ押し込んだ。

「朝ごはん用意してるからさっさと浴びといて!」

元親は眠いのか何も言い返してはこなかった。
それにしてもこれから先どうするんだろう。

私が名前を当てれるにしろ、当てれないにしろ7日間はどちらも存在していることになる。
命がなくなるのは嫌に決まってる。
それでも元親の名前を当てれる気はしなかった。
・・・元親って名前じゃないのか・・・?

ふと疑問に思ったことをくもりガラス越しに問うてみた。

「元親ー、名前ってヒントある?」
「名前に関してにゃ俺は何も言えねえな。
 最終日アンタが自力で当てれねえとないけねえんだ、いろんな事情で・・・」

話によると元親が名前かと聞いても答えてくれなさそうだった。
むこうもむこうでいろいろ賭けているんだ、仕方ないか。

「わかった。
 私も待ってるからさっさと上がってよ」
「ああ、もう出るからよ」

その言葉を聞いて私は朝食の準備を終わらせるため、その場を離れようとした。
離れようとした瞬間によろめいた体。
一瞬何が起こったのかわからなかった。

でも、すぐに見えたのは元親の顔。

「名前、口付けだけでいいから」
「何をー・・・ぁ、んっ」

浴室の扉に体を押し付けられて無理矢理に唇を奪われた。
そして結局口付けだけだと言われながらも、元親の唇は首筋にも下りていき、とうとう鎖骨まで来た。

「ちょっ、まだ朝じゃないの」
「舐めるだけならいいだろ?」
「ぅっ・・・よくな、い・・・」

元親の舌が骨に沿って這うたびに言葉が途切れようとした。
言葉を言おうにも舌の感触のせいで体が反応してしまい、何も言えなかった。

必死にやめるように肩をばしばしと叩くが元親はどこ吹く風だった。
それは体が反応してあまり力が入らなかったのも原因かもしれなかった。


「やめて」
「アンタも気持ちいいんだろ、もっと気持ちよくなりてえんじゃねえのか?」
「ちがう、もん」

もう元親の目は腹を空かせた鬼だった。
昨日の今日で元親のお腹はいっぱいになってはいないんだろう。
既に私を喰おうとしてる。

「わーったからよ、大人しくしときな」

こんな鬼にどう抵抗すればいいんだ。
元親は抑えつけられて体を動かせない私の服を肌蹴させた。





  


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