元親は今度は優しくキスをするとふっと笑った。
息は荒いままなのにどうしてこんなにも余裕があるのか私には不思議でならない。

いくら何回も飲んだことあるからって、そういう問題じゃないだろう。
というか、私の方は私の方でそんなこと考えている間にも元親のことしか考えられなくなる。
今まで元親に抱かれた知らない人にきっと、嫉妬してる。



「なあ名前。
 今夜はさすがに俺おさまらねえわ」

私の中では元親余裕まだあるんだとか思ってたけど。
勘違いだったらしい。
肌にかかる息は熱を増した。
また戻ってきた唇は唇から顎、顎から首筋、首筋から胸元へ。
服を脱がせながら唇は下へ下へと降りていく。


「どうだ?」
「くすぐった、はっ、あ、やだ」
「やだ、か。
 じゃあ下の口は何て言ってんだろうな」

元親は素早く足を開く。
その時に聞こえた水音によって羞恥が煽られる。
そして、羞恥によってさらに体が熱くなる。


「いつもより濡れてんじゃねえの」


そこを触られれば淫らな水音に、自分の甘ったるい声が加わる。
満足そうな反面、我慢がきつそうな元親に映る私。
早く楽になりたいのにわざわざ元親が自分で我慢してまで先に進もうとしない。


「おねが、も、あっあ、あ」
「昨日みたいにめちゃくちゃにするのか、優しいの・・どっちがいい?」
「意地悪っ・・」
「昨日はちゃんと素直に言えたくせに」
「だって、風邪ひいてたから」


私はじっと黙っていたのだけれど。
元親はというと私が口を開くまで待つ気らしい。

元親の雄を私の濡れたそこに擦られてじれったい刺激にもっともっとと感じてしまう。

もう挿れて欲しい。
もっと激しくして欲しい。
昨日みたいに理性飛ぶまでに抱いて欲しい。


だけど、言えなかった。
さっき元親は酒のせいだとか言ったけど、自分からその理由を拒否した。
もう嘘はつけない・・・自分で自分が許せなくなる。
元親の前で嘘で固めた自分を見せたくなかった。



  


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