しばらく一人洗い物を洗ってやっと終わる…そう思ったときに元親が後ろから私を抱きしめた。
しかもどこか呼吸が荒い。


「元親、大丈夫!?」
「名前・・・」
「んっ」


振り向いて元親の顔を見ようとした瞬間に唇が重なった。
しかもいきなりのことで何も抵抗できずに、されるがままで。
そのまま舌を絡められ、吸われると腰がくだけそうになってくる。


「っ、もとちか・・立てなくなる」
「わかった、部屋行こうぜ。
 もう俺我慢できない」
「うわっ!」

元親の息は荒いままに私を抱え上げてベッドまで連れてきた。
私をベッドの上に倒したと同時に上に覆いかぶさるとまたキスをする。


「ん、うっ、んは」
「ああ、名前・・名前っ」
「元親、本当に大丈夫なの?」
「んなもん、あの酒のせいだ。
 名前も飲んでみ」

お酒・・・やっぱりただのお酒じゃなかったんだ。
でも、元親がこうなってるのって。


「んっ・・・俺の舌もちゃんと味わえよ」
「んふ、ぁん」


考えるまま元親に口移しで飲まされる。
味は普通のお酒と変わらない。


・・・でも元親の反応からすると。
惚れ薬って言われたけど。
英語にしたら一緒だけどもしかして・・・。


「わかったみたいだな、媚薬だ」
「っ、び、媚薬飲んだの私?」


飲んだんだって自覚した途端一瞬にして体が熱くなった気がする。
不安になって元親を見上げるものの、私が飲ませたせい・・・何だか顔が赤い気がする。


「まあ俺は飲んだことねえ名前よりは効かねえとは思うけどな」
「え?」


何もかも考えられなくなっている状態で、元親に抱きしめられた。
いつもならそれで十分なんだけど、今日は変な感じで。

抱きしめられても足りない。
抱かれたい。
今すぐに、抱かれたい。

そんなことばかりが頭に廻る。
しかも、元親がこめる力が強いのでさらに大きな刺激を求めてしまう。


「んっ、あつ、い・・・元親、あつい」
「俺もだ、熱い上に我慢もぎりぎりだっての」


強い抱擁に。
上から降り注ぐキス。

髪に隠れない耳や、額を啄むようにキスされてはくぐもった声が漏れる。
元親の呼吸ひとつにも興奮する。


「どうして欲しい?」
「そ、んなこと・・やだっ」
「抱きしめるのとキスだけで足りんのか?ん?」


わかってた。
足りなくて自分の体が動いたこと。
全身で元親を求めていること。


「大丈夫、これは薬のせいだ」
「やだ!・・・だって、元親飲んだことあるんでしょ、私以外の人と同じことしようとしたんでしょ」
「んなこと言われたら俺が我慢した意味ねえじゃねえか。
 名前、俺が抱きたいんだよ」


私に言わそうとした元親の意図はわからなかった。
だけど、元親の言葉にやっと苦しみから解放される・・。

実質私が言い出さなくても、元親の言葉に頷くことは同じことだろう。
それでも、もう、限界だった。
こんな状況で耐えられなかった。






  


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