「好きにしていい、その言葉に嘘はねえな?」
「ない、から・・・お願いっ」
焦らすように元親の指が中から抜けて、お腹の上で円を書いた。
「もうちっとおねだりの方法があるんじゃねえのか?
名前が気持ちよくなれるかってのは俺にかかってんだぜ」
おねだり・・・?
そう言われてみるも私のイメージはあのたまに小説で見る、女の子が甘ったるい声を上げながら「好きなの」とか言っちゃうのぐらいしかない。
しかもそれは男の方もデレデレしてるもんだから元親には効果がないに決まっている。
「ほら何が欲しいんだ?」
意地悪そうに笑う元親が恨めしい。
その間にも元親は腿を撫で回す。
「ぅあっ・・・ん・・・・・・元親のが、欲しい」
「へえ、でもちゃんと名前もちゃんとイメージはあるんだろ?
それやったらちゃんとくれてやる」
イメージ、ということはさっき思い出したもの。
どうせわかった理由は鬼だから、という言葉が来るんだろう。
考えないようにした。
いや、考えられなくなった。
既に腿を撫でられているだけでいっぱいいっぱいで、仕方がなかった。
「元親・・・」
観念する前に動き出した私の手。
元親の首に回し、距離を詰めた。
「・・・・・・・・・大好きなの・・・」
耳元で小さな声で言ってみれば、触れていた元親の雄が大きくなった気がした。
次の瞬間には唇を甘噛みのようなキスを落とされ、両足を抱え込まれて元親の雄で濡れたそこを突かれた。
「ふぅんっ、あ、やっ、ん」
「どうだ、気持ちいいかよ?」
「ぅん、んっ」
元親の首に回した腕に力を込めれば距離は更に縮まる。
がんがんと打ち付けてくる腰に快楽は私の欲に対して満ち足りた、そう思ったのにいつの間にか自らも腰を揺らしていた。
「あ、ああんっ、あ!」
「自分で求めようが名前をイかせんのはこの俺だ」
私の自由にはさせない、そんな風に目が語っている。
その目にぞくりとしてしまった私がいた。
「っ、もとちかっ、ごめん、ごめん、っああ」
「名前っ」
刺激に耐えることはできぬまま達した。
不意に見えた私の名前を呼ぶ元親に胸が締め付けられたような気がした。
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