今日は昨日元親が我慢してくれたおかげで調子が戻った。
まあ戻ったといっても最近忙しいので疲れたことは疲れたけれど。
帰ったらご飯食べて早く寝よう、そう思ってぱっと何か惣菜を買って帰ろうかと思ったけれど・・・。
『今まで俺にまともに飯を喰わせた奴はいねえし、一緒に出かけたり、荷物持ちさせる奴なんぞいなかった』
『ありがとな』
ふと昨日元親の言っていたことを思い出した。
惣菜で済ませるというのはどこか申し訳ない。
「仕方ない、簡単に作るか・・・」
どうせ元親にこんなこと思ってたとか言えば笑われるんだろうけれど、どうせ1週間で終わる関係だ。
もういいや、そう諦めた私は大人しく家に帰った。
「ただいまー・・・あれ?」
家に帰ればどこからか匂うおいしそうな匂い。
「おかえり、遅かったじゃねえか」
「まあ先週から忙しいから仕方ないんだけど、もしかして元親ご飯作ったの?」
「おうよ、ま言っても日本食しか作れねえけどな。
風呂も沸かしたから先入れよ、アンタが入ってる間に飯の用意しとっくからよ」
な、何故だかわからないけど元親が主夫になってる。
凄くありがたいことなんだけど。
元親のエプロン何気に似合ってたりするんだけど。
・・・・・・後が怖い。
結局は背を押され、風呂に直行したんだけど。
上げれば上がればで、机の上には素晴らしいほどの日本食が並んでいた。
ご飯、味噌汁、おひたし、焼き魚・・・素朴なものだけれども、自分も日本人だもんなとどこか感動していた。
「俺も腹減って仕方ねえんだよ、早く喰おうぜ」
「・・・元親ありがと」
「あ?」
「え、いや、だからありがとうって。
というか、結局元親自身が人間らしい生活送ってるよね」
「まあ抜けねえんだろうな、人間らしさってのが・・・。
ま、冷めねえうちに喰え、喰え」
人間らしさが抜けない?
疑問を感じたけれど、手で煽られてご飯に口をつけた。
「おお、美味しい」
「あったりめえよ、俺を誰だと思ってる」
「元親だけど、意外に美味しい・・・はあ、あったまる」
「へえへえ、まあちゃんとデザートまで用意してあるからなたらふく喰っとけよ」
私は企んだように笑った元親に苦々しい笑いをこぼしてはしまうが、今日はいいかと開き直った。
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