その日は家に帰って、風呂に入って、晩御飯を食べてすぐに寝た。
仕事があるからという理由が主だったけれど。
なんとなく・・・。
なんとなく布団に入ってしまいたかった。

もちろん一人暮らしの私の家には布団が余分に余ってる訳もなく、隣には元親がいたけれど、昼の話を思い出してまともに話せる自信がなかった。

名前を当てるヒントになったらと思って知らない元親を知ろうとしたけれど。
元親の過去は思っていた以上に重かった。
鬼だというのに、まるで人間のようなしおらしさが見えた気がした。

寝てしまいたい、だけど背中に感じる元親のぬくもりになかなか寝付けなかった。


「・・・ねえ元親」
「どうした?」
「ごめん」
「何が?」
「うん、いろいろと。
 私ってさ本当我儘でさ、結局元親に我慢させてる訳だし」
「気にしてねえよ、謝んな。
 こんな俺に謝んなよ」

体に回された元親の腕。

「明日仕事だろ、ちゃんと寝ろ」
「うん、おやすみ・・・」

体をひっくり返し、元親と向かい合わせになって唇を重ねた。
驚いた顔をした元親に笑ってから、したかっただけ、そう言ってから眠りについた。





  


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