「今日は禁欲しろ」

朝やっとのことで布団から抜け出して、朝食を取ったあと元親に告げた。
私の腰は金曜日からの二日間の行為によってもう痛さが半端ないのだ。
明日だって仕事があるのにもしも抱かれるようなことがあれば・・・抱かれるなんてもう考えたくもない、という状況のため、はっきりと言ってみたんだけど。


予想通りに嫌そうな顔。
確かに元親にとっては食事であるから。

「それは断食と一緒なんだぜ、わかってんのか」
「そんなこというのは予想済み・・・だからこの言葉を送る!
 ・・・普通にご飯食べてんじゃん!!」

金曜の晩から鬼のご飯は人間の欲だとかなんとか言っときながら、なんだかんだでしっかり私とともに人間らしい食事をしていた。
だからそのことをはっきり言ったのだけれど、馬鹿にしたようにため息を吐かれた。


「何?」
「だから言ったじゃねえか、所詮人間の飯は飴程度―つったら確かに言い過ぎだったかもしれねえが、満腹になるにはかなりの量が必要になる。
 というか欲がなけりゃ満腹にはならねえっての」
「・・・欲、ねえ」

まあ今更ながら飴程度っていうのは言い過ぎだったんだとちょっと意外に感じている自分もいる。
でも問題は欲の方だ。

・・・でも欲って。
元親が今まで取ってきた欲って、言いにくいけれど性欲のことだろう。
でも欲はそれ以外にもある。


「わかった、私今日はご飯あんまり食べない。
 そしたら食欲が代わりになるでしょ?」
「・・・まあいい。
 今日のところはそれで勘弁してやる、今日だけな」
「うっし、じゃあまあ腰は痛いけれども・・・買い物行きたいんだけど付き合ってくれる?」
「ああ、いいぜ」


日曜のもうすぐ午後になろうとするぐらい。
家の中じゃ何されるかわからないので、外に出るという作戦。

作戦はすんなりとうまくいったので、けだるい腰を上げながら私は出かける準備をした。






  


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