朝目が覚めると目の前に元親の顔。

・・・・・・・・・そっか、昨日は結局気失うまで抱かれたのか。
今更ながらに腰がけだるい。
それ以上に私は何をしているのだと恥ずかしさがこみ上げてくる。
何度したのか、それは数えてはいないけれど普通はこんなこと初対面ではしない。
まあ元親の存在自体が普通ではないのだけれど。


「・・・・・・」

黙ってみれば本当にいい男なんだけどな。
実際あの後私にちゃんと服着せてくれてるし。
私に服を着せてくれた張本人の元親は上半身は裸だけど。

元親の顔にかかる銀髪を無意識に撫でた。
思っているより綺麗に手入れされている・・・。


「元親、朝」
「んっ・・・起きたくない」
「えー、いやいやいや、起きてって」
「嫌だ」


寝ぼけているのか、ぽーっとしている元親。
何故か可愛らしく思う。

「元親?」
「もうちっと寝る」
「いや、駄目だから不健康だし・・・」
「いいじゃねえかたまにはよ。
 一緒に寝ようぜ」

そう言うなり、私の体を布団の中に引き入れる。

「元親、起きないとシャワーも浴びれないじゃないの」
「大丈夫だ、昨日ちゃんと俺が綺麗に洗ってやった」
「そうだけど―・・・は!?
 何人の体勝手に洗ってんの、この変態!」
「別に減るもんじゃないし、いいじゃねえかよ・・・」

未だ寝ているような元親に叫んでみるが無駄だった。
まあ減るものでもないけど・・・裸も散々見られてきたけど・・・。
私としてはそれはそれ、これはこれって感じなんだけど。


釈然としない私は未だ寝ぼける元親に一つ質問をしてみた。

「わかった、それは許すから。
 代わりに元親の本当の名前教えなさい」
「何言ってんだ、俺の名前はも―・・・っ!?」
「も?」
「・・・名前ちゃんよお、朝からおもしれえことしようとしてんじゃねえか」
「ちっ、起きたか」


言ってしまってはいけないことだと気づいたのか、答えようとする瞬間にハッとしていた。
”も”しか聞けなかったけど、逆に言えば”も”が付くということがわかっただけでもまだ私の可能性が広がったということだろう。
何も聞かないよりはマシだ。
ちゃんと起きてくれた訳だし。


「名前、そりゃなしだろアンタ」
「別に駄目なこととか言われた覚えないし、仕方ない」
「次もそんなことしたらお仕置きしてやるから覚えてろ」
「覚えない覚えない」
「っんの」

反省しない態度の私にひとつでこぴんを喰らわしたけど、そのあとすぐに笑った。

「俺にんなことする奴は名前が初めてだ、ほんと変わってんな」
「元親の方が変わってるし・・・」

少し恥ずかしくなってしまった私は目をそらし、ぶっきらぼうにそう答えた。
私が恥ずかしがってるのに気づいたのか元親は頭を撫でてきた。

頭に置かれた手を払いのけようとしたけれど、唇を奪われたせいで力が抜け叶わなかった。






  


×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -