優しくすると言った元親の口付けは本当に優しいものだった。
これまで何人もの女を何度も何度も抱いてきたんだろう、それはもう明らかだった。
「もとちかっ、ん」
何度も何度も口付けを落としながら服を脱がしていく元親。
下着までを取られれば外気に触れた先端に何とも言えないような感覚が走る。
そんな私の一瞬の感覚を元親は見逃さなかったのか、唇は首筋へ下りていき、片方の手は胸の突起を摘んだ。
「ひゃっ、ぁ」
「可愛い声出しやがって覚悟はできてんだろうな」
ククと元親は笑うと、唇で触れていた首筋を強く吸った。
「ぁっ」
「敏感だな、吸っただけで声出ちまうなんて」
「うるさ、っ」
「そんなところも可愛いぜ?」
よくそんな甘い言葉が出せると、そんな言葉を込めて睨もうとはしたが次々と襲ってくる刺激に眼は見開かされるばかりでちっとも睨めなかった。
しかももういいという思いさえもが出てきてしまう。
「んで、睨もうとしてるのはわかるけどな。
そろそろこっちも欲しいか、ん?」
「なんてこと、言わせようと、してんのよ」
「・・・俺がいねえ時にこうなっても後先困るもんなあ、いいこと教えてやる」
「へ、え?」
元親は私の手を取ると、その手を私の秘部に重ねた。
少しだけ感じる水気に恥ずかしくて反射的に手を引こうとしたけれど元親の手がそれを許さなかった。
「もしも名前が賭けに勝った時の為に自分で気持ちよくなれる方法教えてやる。
好いてる女に自分の前で自慰させるような男もいるらしいからな、創作見てえな感じのに憧れてたしなあ名前は?」
「やっ、そんなのはっ」
否定しようにも元親は私の手の上に重ね、秘部を擦らせた。
自分の手だというのにも関わらず、意識してしまう自分の体が恨めしくなる。
その間にも止まらない手。
「あぁ、ん、ゃ」
「んじゃあ挿れてみるか」
「だ、め、やだっ」
私の口から出る言葉では説得力はもう無かった。
体は火照り、自分で勝手に喘いでる。
自分のもの、というよりもたぶん元親の手によってされているということが羞恥心を上げて、それが快楽になりつつある。
元親は私の指を私の中に入れると、中をかき回すように動かした。
すると意外にも反応が薄かった私を何故か嬉しそうに笑う。
そして自分の手をもう一本入れようとする。
「そうだよな、まだ短い期間とはいえ俺の指が入ってんだもんなあ」
「あ、そんな、2ほ、んも・・・」
「名前の細い指じゃ気持ちよくなれねえだろ、何なら俺の指2本入れてやってもいいけどな」
元親は指を入れると同時に中を弄る。
何度も差し入れを繰り返すと私の声が聴こえ、濡れていく元親の手が見えた。
「もっ、おねがい、もういいから、指じゃ、ぃ、や」
「駄目だ、俺のすることは邪魔すんな。
ちゃんと見とけ、俺の顔を。ちゃんと感じとけ、俺の指を」
「んあぁっ、んん」
だんだんと動きを激しくする指に。
だんだんと荒くなった元親の吐息を感じる肌。
そして、限界までに迫ってくる快楽。
「ぁ、んっ、ぅぁぁぁああ」
「大好きだぜ、名前」
全てが限界に達した時、とうとう達してしまった。
蕩けた頭に響いた元親の声に、快楽をもう一度という選択をした私がいた。
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