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城に着くなり、元親が見えたーとか思った途端、目隠しされた。
手とかだったら可愛いものだけど、布でしっかりと縛られている。
誰だと聞いたけど皆黙った。
ちなみに手も握られているので目隠しを外せない。
手は感触的に元親だと推測できる。
とりあえず元親がニヤついていたところは見えたのであとで聞くことにしよう。

「おかえり、孫八」
「おう、ただいま元親。
 いい加減手と目隠しを外してくれないか」
「ああ、駄目だ」

平然に駄目だと答えた元親。
これは先程の失態の罰なのか?

「元親」
「どうした?」
「悪かった」
「いきなりどうした!?」
「・・・いや悪いことしたのかなって思って」
「別にしてねえぞ。
 とりあえず今から抱くから暴れんなよ?」

は?
抱く?

はあああ!?

一瞬自分でも混乱した途端、体が宙に浮いた。
そういうことか・・・。
抱くって抱きかかえるの方か。

一瞬破廉恥なことを考えた自分を殴りたい。
もう思いっきり殴りたい。

「それでどういうつもりなんだ?」
「それが言えねえからこうやってやってんだろうが。
 孫八の割に頭まわってねえなあ」


そして、元親も殴りたい。
人が大人しくされたままになってやってるのにこいつは何だ!
別に頭回ってないこともないわ!!

「元親・・・・・・」
「おう」
「後で覚えとけ」
「ああ、何怒ってんだよ。
 まあ後で怒れなくなっちまうから今は大人しくしとけよ、な?」

元親が笑ってるのはわかる。
だけどなあ、縛られた手ぐらいはどうにかして欲しい。


「手は放してやるからよ、大人しくしとけよ」
「俺はどれだけ問題児だ?」
「ははっ、まあ今から女中んとこ行くから女中に手出すなよ」
「・・・・・・わかったよ、もういい」


変なことはしねえからよ、そう言って元親は頭を軽く撫でた。


そんな風にされたら何も言えなくなる。




というか、え?
女中さんに引き渡されるの?
私何されるの!!?


「じゃあ後は頼むぞ」
「かしこまりました」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」

「じゃあな、孫八」
「孫八様、こちらへ大人しく来てください」


離れていく元親に、
引き攣られて私。

これはいったいどういう状況ですか・・・。




  


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