02

「ほら、これでも食え」

このまま黙っていてもきりが悪いので持っていた漬物を手渡した。
・・・っていうか、漬物しか持っていなかった自分って。


それでも、女子は素直に漬物を食べた。
パリポリと次々と食べているところを見るとお腹がすいていたんだとわかる。


「それで、お前はどうして海の中に入ろうとした?
 こんなに寒いのに・・・」
「・・・言わないといけない?」
「いや、言わなくてもいいんだけどな・・・。
 俺はお前が死ぬこと考えて海へ入っていったと考えて飛んできたんだが、見当違いか?」

素直に思ったことを解いてみると、首を横に振り、そうだと答えた。

「どうしてそんなことをしたんだ?
 無理に言わなくてもいいが、お前は身なりからいいとこに生まれたんだろうに」
「いいとこ・・・?
 ・・・・・・戦ばかりで姉上が人質になるようなことみたいなことさせられるかもしれなくて。
 馬鹿みたいに人ばかり殺したりして・・・
 全然いいとこじゃないっ!」

全然いいとこなんじゃない、またそう言って一筋涙を流した。


世の中には良いところに生まれたとしても幸せが必ずしも運ばれてくるわけではないと学んだ。

  


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