おみとうし

誕生日は平日だと言うのに一日一緒は無理だと言った私の彼氏。
私は学生の身分なので土日はだいたいしっかり休みがあるのだけれど、社会人である元親は違う。
デートのドタキャンなんてあたりまえ、一緒に過ごす時間なんて貴重すぎる…!
そんな感じだ。
でも、そんな元親にたまには寂しくなってはしまうけれど、そんな彼に怒るなんてことはないのはきっとそれだけ私が彼に惚れてしまっているからだろう。
我ながら盲目になっているとは思うけれど。

誕生日だって、期待してないと言っておきながら本当は心の何処かで期待していた。
一日一緒は無理だと聞いた時、ああやっぱりかって思ったけれど、申し訳なさそうな顔しながら絶対日は越えねえうちに来るからっ!と言ったものだから単純な私はそれだけで嬉しくなった。



「名前!」

やっとインターホンが鳴ったので駆けつけてみれば、肩を上下させて息をする元親の姿。
思わず抱きついてしまった私に元親はよしよしと頭を撫でる。




「名前、誕生日おめでとう…これ俺からだ」

ようやく落ち着いて二人家に入ったところで、元親が上着のポケットから綺麗にラッピングされた箱を取り出した。
なんか見覚えのあるような高そうなブランドの箱なんだけどね…。

「元親、私こんな高いのもらえないよ?」
「俺のプレゼントが気に入らねえってんのか?」
「いや、そういうのじゃなくて…」
「いいから、ほら俺が付けてやる」

無理矢理に箱を開けられればそれはもう返品不可だ。
大人しくしていれば、箱から出てきたネックレス。
そして付けられれば、やっぱり高級そうな上に大人っぽいネックレスは私には似合わない。

「やっぱ今の格好じゃ似合わねえな」
「まず私自体に似合わないんじゃ」
「んなことねえよ、恥捨てて俺が必死に探してきたんだからよ」

まあまだ合う歳じゃねえもんな、なんて呟きながら私とネックレスを見比べる。
確かにこういう宝石がたくさんちりばめられているのはもう少し大人の女の人のものなんだろう。

「合わないってわかってたの?」
「まあ言っちまえばそうだな。
 だからよ、それが似合う歳になるまで……俺と一緒にいてくれ。
 いや、ずっと俺の傍にいろ」
「元親…」
「好きだ」
「私も好きだよ、ずっと一緒にいたい」

可愛い名前も好きだが美人になるのも楽しみだ、なんて無理言う元親に苦笑しながら唇を奪われる。

「まあ本当はちゃんと他も用意してあるんだけどな。
 車にでっけえ熊のぬいぐるみ積んであんだ」
「っ!?」
「もしもの為に買って来たんだが正解だったか。
 やっぱそっちのほうが反応でけえな、ははっ」
「ち、ちがっ」
「ほら取りに行こうぜ」
「あ、うんっ!」

手を引っ張られ、私が子供だとは認めることにする。
だって、今こんなにも嬉しいんだから。





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社会人要素あんまないです笑←
それにしてもやっぱりアニキとの歳の差は何歳になっても萌え、いえ燃えます
瑠路様リクエストありがとうございました!
改めましてお誕生日おめでとうございます!!遅くなってすいません!!
気に入りませんでしたら変えろの一言で書き直しますね〜









  


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