恋人と過ごすお昼時

長い階段を登りきれば静かな屋上へと出る。
そして重い鉄の扉を開けば大好きな彼がそこにいる。

「ちかちゃん!」
「おう、名前!
 今日は遅かったんじゃねえの?」

去年同じクラスで付き合ったちかちゃん、もとい元親とはは残念ながら今年はクラスは離れてしまい寂しくはあるけれど、こうしてお昼になると毎日ふたりだけの時間ができるからなんとかなってる。
それでも、やっぱり付き合いたてほやほや…とかそういうわけじゃないけど。
別に凄い寂しかったとか。
そういうわけじゃないんだけど……。


「ほら来いよ」
「う、うん…」

ちかちゃんに胸を開かれるとそこに飛び込まずにはいられない。

「別に寂しくなんかはないんだよ?」
「わーってる、わーってる。
 俺が寂しいんだからよ…だから文句言うなよ?」
「へ…って、きついきつい!」

一瞬ちかちゃんがにやりと笑ったかと思うと、凄い力で抱きしめられた。
それでも、胸の中の暖かさとか、心地よさで文句はいいつつもそれに体を委ねてしまう自分がいる。


「好きなんだから仕方ねえだろ?
 学校じゃお前さんから抱きしめる以外の許可も出てねえし」
「だって恥ずかしいし、なんか道徳に反するし」
「ははっ、真面目だな本当」

うん。
いつも会うのはだいたいお昼でこんなふうに抱きしめられることがあってもだいたいご飯食べ終わってからで。
まあ…女子としていろいろと気にしちゃうんだよね、ご飯食べたあとの口とか、口とか口とか。


でも今日はご飯食べる前だし。
ちょっとぐらいはいいかなって思って。

「ち、ちかちゃん!」
「ん?」
「目つむって」
「は?」

なかなかつむろうとはしなかったけど、ここで待ったら私の決心とかいろんなものが崩れ落ちそうで強引に胸ぐら掴んで唇を重ねた。
少し驚いたような顔が見えたけれど、ちかちゃんはすぐにいつものような余裕を取り戻すと少しはにかんでじっと私を見つめた。

「……何?」
「いいや、ただやっぱお前さん可愛いなって思ってな」
「馬鹿!
 なんでそんなこと簡単に言っちゃうの!」
「んなもん、お前さん相手だからに決まってんだろ?」
「だから!そういうのも……ちかちゃんの馬鹿」

質問を交わすわけでもないけれど、とにかく私が不利な状態になる上に見つめ続けるから恥ずかしくなる。
そんな私に少し声を上げて笑うとちかちゃんの口づけが額に落ちた。


予鈴のチャイムが鳴って御飯を食べてないことに気づいて慌てるのはもう少し先の話。



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ルビー様、遅くなってごめんなさい!
ちゃんといちゃいちゃになっていますでしょうか!?
最近の子は学校内でもすんげえいちゃこらしてると聞きますが私にとってはこれもいちゃいちゃの基準なんです笑(`・ω・´)
少しでも楽しんで読んでいただけたら幸いです
改ましてキリリクありがとうございました!!!!!








  


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