後ろ髪ひかれる

政宗の家で勉強を教えてもらい、終わって家を出ようと玄関まで来た時政宗に呼び止められた。

「名前」

忘れ物がなければ、他に理由があるか・・・なんて考えてみたものの見つからず素直に振り返った。
そしたら真顔の政宗。

「政宗?」
「忘れ物だ」
「え?」


元から政宗の家に持ってきた物自体少ない上に鞄から物をほとんど出していない。
でも言われるぐらいならと、少し慌てて鞄の中を漁ってみたものの特に忘れ物はしてないように感じた。


「私だってこんな少量の荷物で忘れ物なんてしないわよ」
「まあ見えるものではないか・・・」
「見えないものなの?」

政宗の言っている言葉の意味が分からず首をかしげてみれば、苦笑された。


「アンタ、鈍いっていうか、鈍感っていうか」
「つまりさっきから鈍いとしか言われてませんけど」
「Ha!jokeだ」


額の前に指を持ってこられて、ああつつかれると思って目をぎゅっと閉じた矢先だった。
唇に柔らかいものが触れた。
恐る恐る目を開けてみれば、目の前にある政宗の顔。
勿論私に唇に触れているのは政宗の唇。


「ま、ま、まさむね!いきなり何しちゃってんの!」
「何ってkissだ」
「そんなことはわかってるって。
 何で玄関で今してんのってこと!」



心の準備をさせない主義なのか、この男は・・・。
なんて唇が離れたあとも私の胸の鼓動は激しいままなのだけれど。


「忘れ物したpenaltyだ」
「へ?」
「こんな時間に一人でほいほい帰らせられるかっての」
「え、あ・・・ああ。
 ありがと、政宗」

いきなりキスされたことには動揺してしまったけれど、政宗の心遣いに心が落ち着いてくる。

「でもやっぱり帰らせたくねえな」
「・・・そんなこと言われたら帰れなくなっちゃうじゃん」
「帰らせねえよ、Honey」


政宗の腕の中に捉えられてまたお互いの唇が触れる。
いつの間にこんなに甘えさせてしまっていたのか。
気づいたときにはもうこの状態。
仕方ないか、とため息混じりに笑えば、政宗のつられて笑っていた。





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マロン様!遅くなりまして申し訳ございません!!
年明け前に頂いておりましたのに・・・(つд⊂)
政宗を久々に書いた気がしないでもないですが、楽しんでいただけましたら嬉しいです
リクありがとうございました!!






  


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