おまけ

「そういや、今キャンプファイヤーやってんだよな?」
「そうだね、ちゅ、チュウしちゃったよ!?」
「チュウだなんて・・・可愛い反応するじゃねぇか、もっかいいいか?」
「え、もとち、ーんっ!」

パ二くってしまって思わず、幼稚にチュウだのと言ってしまって元親に誤解され、瞬く間に唇を奪われた。
ただ元親に何度も唇を奪われていた時だった。


ガタっ、と後ろで音がした。

扉が開いたかと思うと、伊達君、猿飛君が倒れこんで後ろには先輩が立っている。
ちなみに、猿飛君の手にはビデオカメラがばっちり握られている。


「あ、悪ぃ。気にせず続けてくれ・・・」
「何言ってるの?この状況何!?
 っていうか、どこからいたの!?」
「え、えーと・・・『「先生・・・俺は、お前さんのことが好きだ」
「・・・・・・・・・でも、長曾我部君には彼女がいるよ」』頃からかな〜」

猿飛君が気まずそうに小さく呟いた台詞。
つまり・・・最初から?

「最初からいたのかよ!」

元親が私の代わりに言いたかった言葉を言ってくれた。

「ちなみにどっから撮ってやがった?」
「・・・Ah〜、佐助が言ったセリフからか?」
「政宗様、もう最初からと言った方がいいのでは」

「いやーーー!何で?何で撮ったの?
 私もう恥ずかしくて、もうお嫁にも行けないよ?」
「おい、落ち着けっ」

混乱している私に元親が慌てて落ち着かせようと言葉を掛けるが私の混乱は止まらない。

「だいたい、嫁に貰うって言ったところだろうが!」
「あ、そうだった・・・」

なんとか、自我を取戻し改めて覗いていた3人の方を向く。

「それで、どうして撮ってたの?」
「え、だって結婚式にでも流そうと思って・・・」
『気早っ!?』

確かに嫁に貰う、貰ってだのと話ししていた私たちだけど何で周りの方が早いの?
あれ、元親意外と満更でもなさそうな顔をしてる・・・。

「おーい、元親さーん?」
「・・・おぉっ!?わ、悪ぃ。
 佐助、その・・・全部映ったのか、いろいろしてる部分まで?」
「そこらへんは大丈夫!
 俺様だって伊達にカメラ持ってるだけじゃないからね、チュ〜してる時のは旦那と先生が被って二人の顔は映ってないよ?」
「そうか、助かる・・・」

え、この反応。
本気で流すんですか?

「くそっ、honeyがチュウだなんて可愛いこと言ってやがった・・・」
「違う、あれは私でもちょっとパ二くっただけなの!」
「名前、結婚式には呼べよ?」
「はい・・・って、先輩まで?」

『もういい加減帰ってくれ!!』

限界だった、私たちが叫ぶと3人はおずおずと扉を閉めて帰った。
・・・ほんとにノリが軽すぎるよ。


『生徒はすみやかに下校しましょう』

そんな放送が聞こえた。

「どうしよ、元親もう帰らなきゃなんないんじゃ・・・」
「そうだけど、離れたくねぇなー」
「・・・ね、あと一回だけ・・・・・・・・チュウして?」
「名前、お前さん無自覚かよ?」
「え?
 −んっ」

甘い口付けは一度だけでは終わることはなかった。



(今度こそ終)






  


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