第二十話

文化祭実行委員になってあれから、何週間か経った。
クラスでは主従喫茶をやることに決まり、皆で団結して頑張り、結構充実していた訳だ。

そんなこんなで、過ごしているうちに俺には彼女ができた。
以前にも告白してきた、同じクラスの奴だった。

この前何と言って断ったのか忘れたが、今対して断る理由もなかったためにOKした。


「ねえ、元親ー」
「どうした?」
「私のこと好き」
「・・・、ああ」

彼女ができると一緒にいる時間も増えて、そんなやりとりもする訳だ。
好きかー、そう聞かれて別に嫌いなわけじゃないから曖昧にも答えてる訳だがぶっちゃけ、好きだがそんなに彼女のことを想ってる訳でもなかった。

「元親・・・キスして、っん」

キスしてと言われたら、求められるようにキスをして。
何だか、最近の俺は空っぽになっていく気がした。



彼女がいると周りに知れ渡ってからは、政宗に本気で殴られた。

「元親、アンタもう俺が誰に手ぇ出そうが、絶対何も言うなよ」
「ああ?俺には今彼女いるんだから別にお前の恋愛事情にとやかく言うつもりはねぇよ」
「言うんだったら一人身になってからじゃないと、俺は認めねぇ。じゃあな。
 本気で殴って悪かったがそれは俺だけの気持ちじゃねぇよ」

本気で殴られた後は赤く腫れて久々にお袋を心配させちまった。



俺はこのままでいいんだろうか?
彼女一人作って政宗がとやかく言ったことは無かった。
むしろ、あいつは囃し立てる方の人間だった。

だって、俺は一途になろうともしてんだぜ?

俺はどこでどう間違えた・・・?







  


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