悟れないseventeen

いつの間にか17歳になっていた。

登っていく大人の階段。
確かに私も成長はしているんだろうけど、それでもやっぱりいつまで経っても元親さんには敵わないのだということがわかってきた。
理由は簡単。
年齢とか、そんなものじゃなくて。
惚れた弱み、それ一択。

17歳になるともうそれがわかってきて、そうしたら自然と余裕も出てきたりする。



「おめでとさん、名前」
「元親さん、ありがとうございます。
 おかげさまですくすくと育ってます」
「確かに背もでかくなったよな」

頭を撫でられるのはいつものことで、子供扱いだと思ってたことも悟ってしまえば気持ちよさしかない。
故に気持ちよさを逃してしまってはもったいないと、素直に元親さんに体を預けていた。


「子供扱いすんなって怒んねえんだな?」
「どうせ子供ですもん」
「・・・わかってねえな」
「へ?」


珍しく元親さんがしまったという顔をしたので、不思議に思って顔の距離を縮めると無理矢理に元親さんの胸に顔を埋められた。

「も、元親さん!?」
「う、うるせー」
「何ですか、いきなり・・・もう」
「いや、今の顔見られたら―・・・って、おい!」

面白そうな言葉に反応しない訳もなく、力を振り絞って顔を上げてみると少し赤く染まった元親さんの顔・・・・・・・・・
元親さん、何で照れてるの?


「え、元親さん?」
「いや、だってよ・・・」

私の思ったことはわかったらしい。
だけど珍しく歯切れが悪い。

「だって、なんですか?」
「何でもねえよ」
「・・・もう、私の未来の旦那様は嫁に冷たくはないですか?」
「っ・・・・・・お前さん無自覚が一番怖えよ、ったく」

元親さんはひとつため息を零し、苦笑しながらまた私の頭を撫でた。


「名前もいつの間にか大人になっていってんだから、そうやって素直に甘えられると照れちまうだろうが」
「一体元親さんは私をどうしたいんですか、どうする気なんですかっ」


元親さんの言葉に耐えられるはずもなく無意識にさっき上げたばかりの顔を下ろした。
顔が凄く熱い・・・。


「どうするって・・・俺のもんだけにすんだよ、馬鹿野郎」
「・・・そんなのもうなってるじゃないですか」




前言撤回、やっぱり余裕なんて持てない。
元親さんの前ではいつだって胸の鼓動が止むことはない。
それだけ好きだから。



不意に触れた元親さんの口付けはいつもより熱を帯びていたような気がした。





  


×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -