第四話

元親さんと母さん、私で食事を終えて、一服ついていた。
お茶を啜っていたら元親さんがクスッと笑った。

「どうしました?」
「いや、暑さは苦手なのに熱い茶飲んでも別に大丈夫なんだなー、とか思ってな」
「まあそう言われることはありますね・・・」
「ほんと名前は”あつさ”が苦手なのか、苦手じゃないのか、面白いでしょ?」
「そうですね、くく」

母さんまで笑って、元親さんに至っては込み上げてきた笑いが止まらなくなるという始末。
二人ともひどい・・・。
少し拗ねたむくれていると元親さんが私を慰めるためか、ポケットからチョコを取り出して私に渡した。

一瞬子ども扱いされているんだとか実感しながらも、よく見ると私が好きなチョコの種類で不本意ながらも受け取ってしまった。
その私に元親さんは再び笑う。

ちょっとむっとしてしまったけど、元親さんの笑顔がいい笑顔すぎて何も言えなくなってしまった。


「あ、そういや話は変わりますが高知、祭りとかいろいろあるんですよ」
「ええ、お祭り!?」
「おお、名前ちゃん祭りは好きか?」
「はい、凄く好きです!!」

夏祭り以外でも私は祭りが好きで好きで過剰反応してしまうこともある。

「母さん、私行きたい!!」

だから、思わず私は反射的にと言えるように母さんに向かって叫んでいた。
母さんはというと毎度のようにはいはい、と言って笑った。

「あ・・・・・・」
「どうしました?」
「い、いや何でもねぇんだがな」

元親さんはというと何かに敗れたような顔をしていた。
どうしたんだろ・・・?

「ま、まあそういうもんは家族と行くようなもんだからな、うん!」

一人で納得している元親さん。
何かここまで来たら不思議すぎて笑いそうになってしまう。

「楽しんで来いよ!」
「はいっ!!」

元親さんはまた笑っていたので見えた顔は私の見間違いだったようで。


私はただただ一人、異様なテンションで待ち侘びているのであった。









  


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