第三十九話

午後の部も4時間程度で終わり、後夜祭まで終えた。
結局終わってからもクラス中から質問攻めで予想以上に疲れた。
それでも、楽しいから思い出となって嫌ではなかった。
すべてが終わると解散となった。
私も荷物を整えて友達に別れを告げて帰ろうとすると声を後ろから掛けられた。

「名前さーん!」
「あ、鶴姫ちゃん!・・・と雑賀先生?」

声を掛けたのは鶴姫ちゃんで。
振り返って見ると雑賀先生まで一緒にいた。

「今日海賊さんの所に行くんです、だから一緒に行きましょうよ!」
「え、海賊さんって・・・元親さんのところ?」
「ああ、私もついでに酒を貰いに行く」

肩を回して疲れたと表現した雑賀先生は打ち上げと行ったところなんだろう。
鶴姫ちゃんの付添みたいな感じもするけどね。

「私もいいのかな?」
「名前さんなら大丈夫ですよ、行きましょう行きましょう!」
「早く行くぞ」

雑賀先生の一言で私の行く先は元親さんの家となった。
まあ隣同士だし、いいかなー、なんて勝手に思って付いて行こうと決めた。
元親さんには後で謝っとこうとだけ決めた。



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元親さんの家の前に付くと、雑賀先生はインターホンも押さずに玄関を開けて入っていった。
その後ろを鶴姫ちゃんも付いていくものだから私も付いていくしかなかった。

「元親ー、酒飲みに来た」
「な、なんでおまっ、いきなりっ・・・。
 って名前ちゃんも、鶴の字も。
 どうしたんだよ、一体」
「すいません、私まで付いてきちゃって」

普通に考えて迷惑だもん。
やっぱり帰ろうと足の方向を変えようとすると腕をぐっと掴まれた。
掴んだのは元親さんで、私は瞬間に固まってしまった。

「えと、元親さん・・・?」
「だからよっ、もうこの二人もいるんだし名前ちゃんも来て大丈夫だからよ!
 んな気にすんなって」
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ遠慮なく入りますね」

元親さんの言葉にうんうんと頷いた鶴姫ちゃんは靴を脱ぎ、雑賀先生の背を押して奥へ入っていった。
取り残された私たち二人は顔を合わせてつい苦笑してしまった。

「じゃあ俺らも行こうぜ」
「はい!」

腕を掴まれたのはそのままで。
私は腕の体温が上がっていくのを感じながら元親さんに連れられるまま付いて行った。




  


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