第三十四話

元親さんへの気持ち・・・。
考えるだけこんがらがっていった。

きっと私は恋をしているのかもしれない。
それは元親さんへの憧れの強さでもあると思う。
そして同時に夢の中の想いもあるのだと思う。

最近鶴ちゃんの言葉のこともあるのか元親さんに対する欲というものが大きくなっていっている。
夢のようになるはずもないのに。

私はこれからどうしたらいいんだろう。
元親さんのこと、確かに好きだ。
それは事情があるにせよ、確かだろう。

でも、これから先をどうしていくのかとは違う。
未来なんてないから、期待してはいけない。
元親さんとの距離が遠くなる未来なんて本当はすぐそこなのかもしれない。
人との距離が遠くなることだなんて簡単なことだから。
夢の中でだってそんなことはある。
増してや現実、あるだろうね。

いくら元親を好きでいても元親は結果的に側室を取った。
私以外の女の人を愛したし、・・・体の関係も持った。
仕方ないかもしれない。
それでも、私よりもその側室への気持ちが大きくなったこともある。



『小少将ー・・・』


元親と二人きりになっていた時に元親が私ではない人を求めて呼んだ名前。
その後にどれだけ泣いたのかは思い出したくもない、たとえ夢の仲だと言えど。

もしそんな人が現実にでも現れたら私はその人に立ち向かう勇気は今のところない。
だから、傷つかない今早く気持ちを忘れた方がいいんだと学ぶ時期なのかもしれない。


それでも、諦めることが本当に難しかった。


元親を好きになったせいでなかなかできなかった恋。
それがやっと生まれて14年経ってできるようになったのに。
それに心の中にもやもやができてすっきりしない。


「元親さん・・・」

どうして、現実は夢の中のようにいかないんだろう。
たとえ元親が他の人を愛しても、夢の中では私は堂々と元親をずっと好きでいられたのに。

「元親様・・・」


夢と現実ー・・・。
夢の中の人物に恋をするなんて我ながらおかしいと思ってはいる。
だけど、どうしようもない。

だから、もし、元親さんが少しでも私が傍にいることを許してくれるなら一緒にいさせてもらおう。
そして、将来元親さんが遠くに行ってしまうことが決まったり、私が自信を持てたなら・・・好きだと言おう。
きっと元親さんなら笑って義理の意味だと取るだろう。
その時初めて私は失恋するんだろう。




今はただ好きでいられたら良い。
傍にいられたら良い。

気持ちが収まらないならいつか気持ちを伝えよう。

これだけしかはっきりと決められない。
でも、いつか本格的にどうするのかは決めれるだろう。
今はまだ親泰さんに相談できたらいいな、としか考えが浮かばないけどもっと成長しようと思う。


早く大人になりたいー・・・。
私の切実な願いだった。




  


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