止めてください(逆トリしてきた元主の元親)

一緒にいる相手が同じだからなのか、はたまた一緒にいられるのがただ嬉しいからか。




「時代は変わっていったんだろ?」
「そうですね、少なくとも天気に左右されることはなくなってます」


とある日曜日。雨が降り、何かする気も起こらないままに、主…私の前世の主とお茶を飲む。


「今まで船には乗ってなかったので。ただ傘を届けたり…そんなのばっかだったので、雨の日に主といるなんてへんな感じです」
「じゃあ俺が無事向こうに帰れたら船に乗せてやろうか?」


主にとっては、私の言葉なんてただの嫌味にしか聞こえないんだろう。
今だって普通の生活を送る私を昔の私だと思っているんだろう。



「船には乗れませんよ。女神が怖いじゃないですか」


だけど時代はかわった。

主は主のままだけど。私はもう違う人間。


「ただ寂しかっただけなんです」


初めて出した素直な思い。想像通り、少し驚く顔をする主。
…本当、ずるい人。


「昔からですよ」
「本当か?」
「ええ…」


距離を縮める私を主は拒もうとはしない。拒もうとしない…だけど、受け止めようとしている訳じゃない。


「一時の夢ですよ」


そう言って主に触れるだけの口付けをした。

この言葉は私自身にいってるのか。
…わからなかった。


だけど、本当にずるいのは私なのかもしれない。そう思った。




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忍だったヒロインの転生からの、元親逆トリ…ということで。
なんだか切ないですね、こんな切ないのひさっびさに書きましたね笑
ヒロイングッドラックです(´∀`)



    


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