01

秋の終わりを告げる木枯らしが吹き始めた今日この頃。
テスト一週間前ー、元親と私は図書館で勉強していた。

「お前結構ぎりぎりだぞ」
そう先生に言われた私のために元親が私に勉強を教えてくれると言ってくれた。

元親は見た目が完全に不良のくせに何気に頭はすごくいい。むかつくほどに、教え方もいいくらいだ。
小学生の頃なんか私のほうがだいたい元親よりは器用にこなしてきた。
なのに、もう10年経っちゃうと何でもかんでも元親のほうが器用にこなすようになってきた。今では、成績優秀、運動神経抜群…文武両道と言われるほどだ。

『もうしばらくで閉館となります』
そんなアナウンスが聞こえたことによって勉強会はお開きとなった。

「それにしても元親は成長したよねー」
寒空の下、暖かい缶コーヒーを片手に私は呟いた。
すると、元親は照れたのか顔を横に向けてしまった。
「べ、別に俺だってずっとやわな奴でいるつもりじゃねぇんだよ」
「そっかー」
元親は確かに昔は女の子と間違えられるほどの子供だった。今ではこんなに大きく成長しちゃって幼馴染として嬉しい…でも、なんだか離れていっちゃうような感じがしてさびしさを感じてしまったりもするのが私の本音だ。

「元親にいつか彼女ができたらこうやって一緒にいたりもできなくなっちゃうのかな…」
「なんでだ?」
女心も察しずにすっとんきょうな声を上げた。
「そういうとこまだまだ子供だね」
「なんでだよっ!別にそういうつもりで言ったんじゃねぇよ…
 ただなー」
「ただ?」
缶コーヒーをぐっと飲みきったと思うといきなりその唇を私の唇に当ててきた。
「っ!?」

「こうでもしたら一緒にいられるだろうが、な?」
「な…な、な…」
頭がパニックになった私は言葉にならない声を出すしかなくてー

「俺はお前さんから離れていく気はねぇからな、そこんとこよろしく頼むぜ?」

元親は悪戯っぽく笑ってもう一度私の唇を奪った。
私は元親についてくのがやっとで必死に元親の上着に掴まっていた。



  


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