早朝の同僚(同僚な政宗)

早朝から仕事しなきゃならない、そんなイライラを立ち込めて私はオフィスのドアを開けた。
どうせまだ誰もいないだろう、だからちょっと課長の机に悪戯をしてからしても―
そんな子供じみたことを思った途端。

見覚えのある顔が見えた。


「政宗!?」

同僚である政宗の姿があった。
早朝からの仕事は私を含めて数人だけど、政宗はそれに入っていないはず。

「おう、Good morning.
 朝から早えなー」
「何で?何で政宗がここにいるの?」

疑問しか感じない私は政宗との距離を縮め、問いかけてみるが答えにくいのか、政宗は目を逸らした。
その仕草に、これは何かあるなと女の勘が告げる。
更に距離を縮め、政宗が逃げられないところまで来たところでネクタイを軽く掴む。

「それで?」
「ったく、仕方ねえ女だな・・・あれだ、ただの、えー・・・時間間違えちまった。
 小十郎がいなくてな、いつもより早く起きた」
「嘘だ」
「へ?」

政宗は普段から意外にも真面目で時間に対しては自分にも他人にも厳しい。
しかも掌には昨日書いたのか”party only 16:30出”と書いた後が残っている。
意味はよくわからないけれど、これは午前は特に目立ったすることがないということだろう。

「髪の毛はねてる・・・本当は早起きする気なんてなかったんでしょ?」
「・・・・・・まあ時間間違えたのが嘘なら嘘だと思えばいいが」
「ほらやっぱり。
 でもなんか私救われたよ、ありがと」

素直にお礼を言うと政宗は私の手からネクタイを取り返して、乱れを整える。
整え終わると溜息を吐いた。

「別にこれはアンタの為なんかじゃねえんだからよ、いくら同僚だからって誰がこんな面倒臭いことするんだよ、勘違いすんなよ!」

頬を赤く染めてそんな台詞を言われて素直にそうですね、とか言える女子がどこにいらっしゃいますか。
勿論その台詞で私の心はがっちりと捕まってしまった訳で。

「わかってんだよ、どうせ私は馬鹿野郎だよー!!政宗が大好きなんだよー!!」
「・・・・・・俺だって、好きだ」

強い衝動によって彼を抱きしめてしまい、素直になった彼に逆に捕まって愛をささやかれてしまったのはまた別の話。



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たまには同僚でもなーとか思って書いてみた同僚政宗です
政宗とか仕事できすぎて同僚とか名前だけなんだろうなとかちょっとしょんぼりしそうですよね
そんな政宗様にツンデレっていただきました☆



  


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