自惚れた存在理由(思春期な元親)

俺の存在意義とは何なのだろう。
運命によって決められたのではないかと思うほど愛することができる女がと出会えたというのに今こうやって気分が沈んでいるのは思春期ゆえのことなのだろう。
頭では自分は何考えているのだろうというのについ深く考えてしまう。

結果的に俺は仕方ないなとそれを受け入れた。



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答えが見えてきたのは突然のことだった。

己自身に触れた唇。
勿論唇というのは俺が愛している女のもので、名前からの口付けは名前からの愛を示している。

今までのように共にいるだけで誰にでもかなえられるような、目を合わせたり、話をしたり、ただ少しだけ触れ合ったり、微かに香る匂いを嗅いだりするだけではなくて・・・口付けを交わした。



俺は何を馬鹿なことを考えていたのだろう。
何故考えることがあったんだろう。

俺の思い違いだと思われるかもしれない、もしかしたら幸せな頭の奴だと笑われるかもしれない。
相手が名前でなければ自惚れだとも納得できる。

だが、相手が名前だから・・・名前だからこそ、俺の生きる意味なんて名前に愛されるだ。
きっとそうだ。
断定できる理由などありはしないのに何故か俺の中ではその解釈で落ち着いた。


俺自身を何かにたとえるなら折れ曲がってしまった古釘の様なものだろう。
それも一本だけ残ってしまって誰にも必要とされていないような・・・。


地位も名誉も持たずにこの世に生まれた俺だとて同じだ。
だが、俺は名前に愛されている。
必要とされている。


「名前・・・好きだ」


俺を愛してくれる、そんな名前が愛おしく真っ赤な顔をしたまま体を抱き寄せ先程と同じように軽い口付けを落とした。



お前の生きる理由に俺を選んでくれ・・・−



そう願いながら。






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自惚れ元親さんです。
某詩の方からの管理人の勝手な想像です☆
でもこちらからとすればもう許しちゃいますよ、ばっちこーいもんですよ笑






  


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