率直YELL(逆トリな元親)

「あああああああああああああああああああああああああ・・・、でも、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」



どうしよう、朝名前の叫び声で起きた訳だが。
壊れちまったのか・・・?

いやいや、俺は何にもしてねえぞ。
世話になってる奴をおかしくなっちまうほどいろいろした覚えはねえぞ。

「名前、大丈夫か?」
「元親おはよー・・・あああああああああああああああああ」

恐る恐る声を掛けてみて、意外に普通の反応したー・・・
かと思えば叫び声が戻ってきた。
もう叫び声っていうか、奇声なんだけどな。

「落ち着け!」
「無理っ、無理なの、ああ、どうしよ、あああああああ」
「いいから!」

名前をぎゅっと抱きしめるといつものように照れたのか黙った。
それでも落ち着いたわけでもなく、体が震えてるのがわかる。

「一体朝からどうしたんだよ?」
「今日ね、部活で舞台があるんだけど私ソロなの」
「そろ・・・なんだそれ?
 だいたいあの合唱だろ、一人で歌う訳じゃねえじゃねえか」
「だから!一人なの!ソロは一人なの!」
「・・・・・・・おお、凄いじゃねえか!頑張れよ!」
「いやいや、だから今問題なの!
 落ち着いてなんかられないの!!」

とりあえず話をまとめてみると名前がいつもの部活ってやつで一人で歌うと。
合唱ってもんは大勢で歌うがそろ・・・ってもんんがあって一人で歌わなければならないらしい。
それで、緊張してると・・・。


「どうしよー・・・」
「んな気に病むなよ、俺ができることならしてやっから」
「・・・元親、ぎゅってしていい?」
「お、おう」

名前はそう言って俺の方に手を伸ばし、俺の頭を包むようにして抱きしめた。
小さく刻まれる鼓動に今の名前が如何に緊張しているのかがよくわかる。

「落ち着いてきたか?」
「ううん、やっぱりぎゅってしてもらっていい?」
「やっぱそうじゃねえとな」

俺としても名前に何かできた感じはしねえし、あんまり抱きつかれることもないから物足りなくもなる。
名前が腕を離した瞬間にこちらへ抱き寄せた。
小さな体が俺の体へ収まった。
名前が腕を伸ばし、さらに距離は縮まった。


「どうだ?」
「・・・うん、緊張はするけど落ち着く」
「そりゃ良かった。
 な、名前は一人じゃねえんだ。
 俺だけじゃなくても部員の奴らだっている、そいつらに背を任せて思いっきり歌ったらいいじゃねえか」
「うん、頑張るよ!
 ありがと、元親!」
「ああ」

鞄を勢いよく掴み、家を出た名前の顔にはいつものような笑みが戻っていた。
やっぱり惚れた女の笑った顔が見てえよな、男としては。

それに俺なんかいつ離れちまうかもわからねえギリギリな生活だ。
頼られるのもいいが笑っているアイツを見ていたい。
どうせならその見た記憶が薄れないほどに。
目に焼き付けていたい。


「お前の楽しそうに歌ってるとこ、大好きだからよ」

後ろ姿に向かって言った俺の言葉が聞こえたのか、
名前は一度振り返って俺に向かって大きく手を振った。

頑張れよ、
そう何度だって言ってやる。
それでも事は一回限り。
だから、笑顔のお前が帰ってくるのを待ってるぜ。



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ヒロインいざ出陣です
管理人もいざ出陣だったりするんですw
本当元親の応援欲しいです・・・





  


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