Dear(頑張る恋人な政宗)

私は午後9:00丁度に溜息をつくのが日課だ。


理由は簡単、その時間に愛する彼からのモーニングメールが届くからだ。

私が遠距離で付き合っている彼、伊達政宗は若くして企業を立ち上げ、ただ今はアメリカのニューヨークに渡って頑張っている。
政宗は私を気遣ってか、いつも朝になるとメールをくれる。
でも、政宗の「おはよう」は私にとって少し早い「おやすみ」になる。
日本とアメリカ・・・、そりゃ時差があるに決まってる。
それでも、政宗は仕事でニューヨークに渡っているのだから文句など言える訳がない。
増してや、私の為にしてくれているのだから文句など絶対に言えない。

だから、一人では広い部屋で彼の帰国を待ち続けているんだ。


それでも・・・、だ。
やっぱり寂しいなって思ってしまう。
政宗がアメリカに渡ってからもう1年半経とうとしている。
1年半の中でまともに会えたのは数えられるくらいしかない。
あれこれ振り返ってみるとよくここまで付き合いが続いているものだと思う。
それと同時に私自身がいかに政宗に惚れこんでしまっているのか、信頼しているのかが実感できる。


なのに今の私は政宗に対し不安でいっぱいだ。


今日は私は溜息はつかなかった。
時刻はすでに午後11:00。

政宗からのメールが一切来ない。
いつもなら例え風邪をひいていたって政宗は私にメールを送るのに・・・。
”浮気”という単語が頭を横切ってしまう。
・・・今日は土曜日だ、だから政宗は今日仕事がない。
だったらまだ寝てるのかなー、とか思ってしまうけどやっぱりどうしても不安になってしまう。
そんな時だった。


♪〜♪〜♪


「政宗・・・っ」

私の携帯が政宗専用の着信音を鳴らした。
いつも通り、日本語に英語を混ぜた文面・・・、うん、政宗だ。


From:政宗
Title:Good morning, my honey!

元気か?
忙しくてmail遅くなって悪ぃ・・・
変わったことはねぇか?
困ったことがあればmail送れよ you see?
でも、たまにはアンタからのmailもくれよな
P.S. 遅くなっても必ず助けに行ってやるからreliefしな
Supermanより




・・・・・・あれ?
文面、政宗らしいっちゃらしいけど、何かおかしい気がするのは気のせい?
というか、Supermanって何よ?
何?向こうでのナンパの手段か何かなの・・・?
これってふざけてるの?

「だいたいね、スーパーマンとか言ってるんだったら早く私のとこに来てよ。
 早く私の気持ち救ってよ・・・、馬鹿、政宗の馬鹿・・・」

だんだん私の中の不安の渦が大きくなってくる。
政宗が向こうで頑張ってるのはよくわかってるし、私のことを愛してくれているはずだと信じてる。
それでも、我儘なことを言ってしまう。
届かないとわかっているからこそ、口にまで出してしまうんだろうね?
自分でもわかってるのに、気持ちだけがまだまだ整理が付けれない。
私の口からは愚痴だけが毀れる。




「政宗・・・逢いたいよ、政宗・・・・・・−」
「honey 俺はここいいるぜ!!」
「っ!?」

寝てしまおうと思って立ち上がって瞬間に後ろの方から政宗の声が聞こえた。
肩を上下に動かして息をするところを見ると急いで帰ってきてくれたんだということがわかる。
でも、でも、何で?

「政宗、何で?帰るって何にも言ってなかったのに・・・?」
「I want to surprise it・・・たまにはこういうのもいいだろ?
 最初で最後のsurpriseだ」
「・・・もう、確かにこういうことは最後にして欲しいって思うけどー」
「違う、最後ってのは・・・俺は今日からまた日本で名前と暮らせんだ」
「嘘っ・・・!?」
「嘘じゃねぇ、New Yorkの方はしっかりカタ付けてきた、だからこれからはずっと一緒だ・・・、名前」

じゃあこれからは私は政宗とまた一緒に暮らせることができて、もう政宗が急いで向こうに帰ることもなくて。
ずっと一緒で・・・・・・?

「政宗!」

嬉しさのあまり、政宗に私自ら抱きついた。
もう恥ずかしさなんて気にならない。

「私もう嬉しすぎて、どうしたらいいの?」
「救えたか、アンタの心は?」
「うん、ちゃんとスーパーマンが救ってくれたよ」
「そうか。
 ・・・でもな、俺にしちゃあアンタが俺に抱きついて来てくれるってのがすげぇ嬉しいぜ?」

政宗はそう言ってにやにやと笑う。
いつもならここで私が破廉恥だ、とか言うことが多いけど今日は大目に見てあげる。

私の愛する人だから。
私のスーパーマンだから。

次の日の私の睡眠不足のフラグなんて承知の上でしてるんだから。




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はい、土方さんの嫁である私の友人の理想のメールから来たネタです。
何か、スーパーマン・・・・・・スーパーマンですかね笑?(※このお話はあくまでもギャグではないんです!)
何だかすごく申し訳ない!
私にはギャグの筆頭の存在が大きすぎますっ;





  


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