お前と甘味と俺の思い出(元親/甘/学園)
放課後、用事で残っててやっと帰れると思って教室へ行くとまだ名前が残っていた。
そういや、日直だったか。
「まだ、残ってたのかよ。ごくろうさん」
「あ、元親。
そっちも、用事ってやつは終わったの?」
「ああ。お前さんもう帰るのか?」
「うん、もう全部終わったしね」
全部やらされてたのか。
見るからに達成感のある顔を見せる名前。
もって帰るもんは特にねぇが、帰る用意をしようとかばんを漁ってたらポッキーが出てきた。
たしか、昼に野郎どもにもらったんだっけ…。
「おい、名前。
ポッキーあるんだが、一緒に食わねぇか?」
幸い、下校時間までには時間もあるし、部活やってる奴らもしばらくは来ねぇ。
「食べるー!」
相変わらず、甘いもんが好きで。
昔から、そうだったな。
ふと昔のことを思い出してしまった。
幼馴染だからか腐れ縁だからなのか、ずっと一緒にいた。
今でこそ、俺は男らしくなったと思うが昔は女々しくて弱かったからなんか甘いもん持ってたら、なにかととられていた…こいつに。
俺、なんでこいつにポッキーあげてるんだろうな?
まぁ、いいか。
「なんか、昔を思い出すなぁー」
「お前さんもか。
あの頃とは変わったよなぁ、いろいろと…」
今思うとなんつうか恥ずかしいこと言ってたりしたもんだ。
ずっと一緒にいてくれ、とかな。
あの頃はなんで言えたんだろうな。
今言ったら、どうなるだろうな。
俺の気持ちは変わっちゃいねぇが、こいつはだうなんだろう。
「ねぇ、ポッキーゲームってなんなの?」
俺が昔を懐かしんでるときにそんな声が聞こえてきた。
「知らねぇのか!?」
こいつ本当に花の女子高生なのか?
「…なんか失礼なこと考えてなかった?
それで、どんなのなの?」
「要するにだな…端と端をそれぞれ口でくわえて二人で食べ進めて最後まで離さなかった方が勝ち、離せば負けってやつだよ」
「ポッキーの取り合い…?
最後の一本だしやってみる?」
「俺はいいが…」
そういう前にもうポッキーを銜えてやがった。
わかってんのか?
待ってるようだったから、俺もやってやろうと近づく。
「どうせなら、なんか賭けるか?
そのほうが面白いだろうしな…負けたら、勝ったほうの言うことをきくってのはどうだ?」
そういうと、ポッキーを口に銜えながらこくこくとうなづく。
それなら、モチベーションがあがるじゃねぇか。
「負ける気がしねぇ」そう呟いて、反対側の端を銜える。
そしたら、名前が目を見開いて反応する。
「ちょっと、近いんじゃないの!?」
「じゃぁ、俺の不戦勝でいいか?」
…ポッキーを銜えながらの会話はうまくできなぇもんだな。
「なっ!
勝つから、絶対に…」
不戦勝って言葉に反応したのか、食べ進めていく。
互いの唇が近づいていく。
そして、触れる瞬間に名前は赤い顔をしながら、目を閉じた。
そして…触れた。
負けるのが嫌なのか、未だに離そうとはしない。
さすがにこのままでいるのは俺の方がもたなくなさそうで離してしまった。
「名前?」
名を呼んでみるが、うつむいたままで何も答えない。
「さすがに悪かった。
できることなら、なんでもするからよぉ…」
「…て」
「へ?」
「責任とって」
「わかってる」
赤くなりながら、そう呟いた。
もう、食べてしまいたい。
さっきのポッキーのせいなのか、名前とのキスの味はとてつもなく甘かった。
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最近甘いものが食べたすぎて書いてしまったものです
食べるから太るってわかっちゃいるのについつい手を伸ばしてしまうんですよね・・・
でも、きっとアニキに食べさせられるんだったら緊張してあんまり食べれなくていいんじゃないかと思って書いちゃいました
…という昔書いたのを見つけました
少しだけ書き直しましたが元は我ながら今よりもひどいと思いました(^_^;)
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