Clap




元親の前では昔から素直になれない。
たぶん理由は昔は元親をいじめっ子の男子から守るのに必死になってたから。
時が流れていつの間にか元親が強くなって、付き合い始めても関係はほとんど変わらなかった。


そして。
そのままでいいやと思っていたけれど後悔する日がとうとうやってきた。


「いやあああ!いや、怖くないけど怖くない怖くない怖くない」
「大丈夫か?」

元親と文化祭のクラス企画にあるお化け屋敷をまわることになったんだけど。
それがまた怖くて怖くて必死に自分に所詮同級生―、と言い聞かせてみるものの懐中電灯を持った手は震えてる。
ついでに言うとよくいるカップルのように元親と腕組んだりとか考えたけれど恥ずかしいので元親のシャツの裾を気づかれないように全力で握ってたりする。


「だ、だだ、大丈夫!」
「いやいや大丈夫じゃねえだろ、リタイアするか?」
「元親には私がそんな軟弱に見えるの!?」

とか言いつつも凄くびびってる私。
すると元親が私をぎゅっと抱きしめた。


「強がんな、俺が絶対に守ってやっから」
「元親…」
「そろそろ俺の前でも素直でいろよ」


とうとう元親に言われてしまい、頷くほかなくなってしまった。
元親の前で素直に…
その言葉を受け止めて元親のシャツの裾を握っていた手を離した。


「お願いしていい?」
「お安い御用だっての」
「…くっついてて」

元親は私の肩を抱き寄せるとよろめいた私の頬にちゅっと口付けを落とした。
その瞬間に体の熱が沸騰する。


「やっぱお前さんかっこいいが、可愛いぜ」


元親の一言でお化け屋敷のその先の道の仕掛けは何も私の中で反応することはできなかったのだった。





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拍手ありがとうございます!!
やっぱり元親との幼馴染関係大好物です、げへげへ笑っちゃいます笑


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