3

最後までするのは部屋に帰ってから、と前々から計画を立てていた雪男を正面からバッサリと切った燐は今更居たたまれなくなったのか雪男の胸についていた手をぱっと離した。雪男はすかさずその手を取り燐にキスをする。

「ちゅっ……余裕ないから負担をかけるかもしれないけど」
「…ちゅっ…雪男がんなことするわけねーだろ?」

ニカッと笑う燐の頬は綺麗に上気していて、あぁこのままだと本当に逆上せてしまうなと思いながら雪男は燐の下肢に手を伸ばした。

「ん、はぁ…」
「指、入れるよ…?」
「…あッ、あぁあ…ッ!や、ゆび、そんな、ぁッ…いきなり、ぃ…」
「うわ…兄さんのナカすっごい熱い…」
「いちいち、はぁッ、んッ…い、う…なよ…ぁああッ」
「お湯の中にいたからかな…ほとんど解さなくてもいいぐらい」
「や、ぁあッ…も、いれて…ッ!」
「でも…」
「い、い…から、はやく…きて…ぁあ、ンッ!」

汗が頬を伝い、まるで涙を流して懇願しているかのような燐の姿を見て雪男の下肢に熱が溜まる。燐のしっとりとした首筋に噛み付くようなキスを落とした雪男は、燐にもう一度壁に手をつくようにと促す。燐はこくこくと頷いて言われた通り雪男に背を向け、片手で自身の双丘をぐいっと開いた。雪男の指を難なく呑み込んだ燐のそこは、まるで塞いでくれる何かを探しているかのように忙しなくひくひくと伸縮をしている。艶めかしく誘うように動くそれに理性を持っていかれそうな錯覚を覚えた雪男は眉根をぐっとひそめて自身の黒い衝動を堪えた。

「痛かったらごめんね」
「ん、だい、じょぶ……ぁあ、んん…ッ!」

誘われるままに雪男のモノをそこに宛がうと、指とは比べ物にならない程の質量にもかかわらずつぷつぷと呑み込まれていく。内壁は火傷しそうなほど熱くうねっており、気を抜けばすぐに達してしまいそうだった。が、それは燐も同じだったようで。余裕のない息遣いの中、一生懸命息を吸おうとしているのだろうがそこから漏れるのは甘い喘ぎ声だった。

「ァああッ!ゆき…ゆきぃ…ッ、ァア…!」
「ここ、かな…っ」
「ひゃ、ァッ、あああッ、ん、やぁッ!ごりごりって…すん、なぁ…ッ!」
「前立腺…気持ち、いいのっ…?」
「あ、ぁ、ああ、ん、うん、きもち、イィ…!」
「じゃあ…いっぱい、擦ってあげる、ね」

雪男の腰が絶頂に向けて一層早くなり、前立腺を集中的に攻め立てられた燐は目の奥で光が弾けて頭の中が真っ白になった。

「ひっ、や、イク…イクぅう…ッ!ァアア―――ァッ、あ、――!!」
「僕も、もう…っぁ…!」
「は…ぁ、ナカ……んぅ…ゆきの、が…ぁッ…あつ、ぃ…」
「兄さんごめん…ナカに…」
「はー…はー……ん、いいって…すぐかき出せば大丈夫だから…ぁッ…」

風呂場という特殊な場所での性行に興奮していつもよりも感度が良かったのだということを二人は認めたくないのだろうが、早すぎる絶頂に二人とも肩を上下させている。雪男がずるりと自身を引き抜くと同時に、どっと襲い掛かってくる疲労感と立ち眩みに燐の膝はがくがくと笑い始めた。

「兄さん…っ!!大丈夫!?」
「あー…ちょっと、だめ、かも…」
「わあああ…!ごめんっ!!すぐに出ないと…おぶるから背中に乗って!」
「う、ん……悪ぃな、誕生日なのにこんな…みっともねぇ…」
「何言ってんの、兄さんだって誕生日なんだから気にしないで。ちゃんと加減をしなかった僕に責任があるんだし」
「……さんきゅ…ちゅっ」

かくん、と膝が折れてしまった燐をタイルにつく前に支える。

「…兄さん」
「なんだ?」
「愛してる」
「…今言うなよ、バカ」

燐は苦笑しつつも同じ言葉を大切に大切にささやいて、雪男に体を預けた。


********
遅れてしまいましたがお風呂での奥村です…
うう…もっとどぎついエロが書ければ…っ!
奥村幸せになってね…!!
---------
HP→パルクールの逃避行/胡桃様

novel


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -