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「できるじゃない」
「んぐ… んん…  ンっ…」
「いい顔… かわいいね、兄さん。もっと泣こうか」
「!!…っ」

後頭部をおさえてじりじりと根本まで押し込んだ。口いっぱいに雪男のものがあふれ、気道が塞がれる。
本能的に燐の手が動き、雪男の腿を力一杯押し返したが、なおも喉を突く動きをやめてもらえず、次第に腕の力が落ちて行く。
燐の瞳がうつろに濁り、口の端から飲み込めない唾液がこぼれ落ちる。身体が弛緩する寸前、雪男は身震いして喉の奥に情を放った。

「大丈夫?兄さん」
「ぐっ げほげほっ… あ゛っ…」

粘液を送り込まれた燐は、空気を吸おうにも気道に入り込む液体に咽せて呼吸もままならない。
燐が落ち着くまで、雪男はうつぶせに抱いた背中をさすっていた。

「ばか…ゆきっ いき…できなっ…」
「ごめんね。…でも兄さんが僕を拒むからだろ? 逆らっていいなんて、教えてないでしょ」

ぐずぐずと泣く燐の耳元で、「うしろ、抜けそうだよ」と囁くと、自分の状態に気付いて酸欠で蒼白だった燐の顔が一気に真っ赤になる。
腹圧がかかったためか、本体が抜けてくびれ部分で止っていた。

「後ろ向いてごらん」
「うごけ…なっ」
「まだ逆らうの?」
「っ! うっ うぅっ…」

嗚咽を漏らしながら緩慢な動作で這い、後ろを向いた燐の臀部を雪男がバチンと打擲すると尻が撥ね、力の入らない腕が崩れて、突き出した後肛を雪男に晒す。
震える膝に合わせて、小刻みに臀部も揺れている。

「いい格好だよ兄さん。コレ抜いて、僕のを挿れてあげる」
「も…許して…ゆきぃ…」
「何を許すの?」
「も…ぬいて…」
「いいよ」
「…あっ あぁ!!ゆきっ あっ たすけ… やぁー!!」

一番嵩のある太い部分を、雪男はことさらゆっくりと停滞させ、苦しげに声を上げる燐の様子を愛おしそうに眺めた。
一度も触っていない燐のペニスは、勃ちあがりかけて揺れている。こんなに苦しんで泣いていても、萎えない燐のそこにはじめて触れた。
後ろが拡がる苦しさと、前への刺激による快感が燐を同時に襲い、悲鳴に近い声を上げて雪男を呼ぶ。

「兄さん、ココ、好きだろ」
「あ゛っ… うぁあっ! やめろぉ…っ、、、 ゆき、、やだ… おねが…ぃ やめて…あっう゛!!」

扱かれる刺激に勃ちあがった燐の尿道口に、雪男の小指がもぐりこむ。
手を伸ばして阻止しようとする燐に舌打ちし、より深くを抉った。

「痛っい!! ゆきっ いたい…いたいよ…ぉ」
「手、触らない。…痛いだけ? そうじゃないだろ?」

雪男に組み敷かれ、床にはいつくばり後ろと前を蹂躙されて泣いている自分への激しい羞恥で、燐はかたく目を閉じた。
後ろへの圧迫感が取れたと思った瞬間、ペニスの先を塞がれたままの状態で雪男のものが圧倒的な質量で後肛を突き上げる。
上げようとする声が出ないのか、空気を求めて口を開ける燐の身体が痙攣しはじめた。
瓶の挿入でさんざん慣らされたその場所は、雪男の何度目かの注挿で擦られた前立腺への刺激で、あっけなく絶頂に達し…

「ゆきっ…いく… や… はなし…っ」
「離さない。いつもみたいにこのままイけ」
「も… や…ぁぁぁ…」

尿道に差し込まれた指によって塞き止められた熱情は、放出する場を失いその場を圧迫した。止められない身体の震えが、燐の絶頂を雪男に伝える。
内部が激しく締まって、雪男は顔をしかめて呻き、達しそうになる自身の熱をやりすごした。

「…ドライ、好きだね…?…兄さん」
「ゆき…ぃ」
「痛いのも、苦しいのも。それを上回る快感も。…全部僕だけが兄さんに与えられるプレゼントだよ」

再び奥深くを責め立てる雪男の動きに、燐の意識が遠のいて行く。

「兄さん? まだ終わってないのに… 意識飛ばさないでよ…」

そう言ってクタリと項垂れた燐の尻尾を掴み、その先を自分が押し入るその場所に無理矢理押し込んだ…。


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