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「本当はね、プリント一枚追加して終らそうと思ったんだ。だけど、兄さんが可愛いこと言うから…」
「なにがかわいっ…」
「自分はいいけど、僕の誕生日だけしたいなんてさ。…知ってるだろ?僕の愛情表現が歪んでるってことは」

燐の首筋に指を這わせ、反射的にすぼめた首とビクつく身体を眺めながら低い声で言い放つ。

「泣いてもらうよ」
「ちょ…っ ゆきっ… んあ!!!! やだっ」

警戒心から垂れ下がっていた尻尾を掴みあげ、雪男はゆるく握りしめた。そのまま上下に扱き、ときおり爪を立てながら先端をしゃぶる。

「っあっ…ばか…っ や…めろぉ…!」

椅子に座った姿勢のまま、尻尾を引き上げられた燐は臀部を突き出す格好で、目の前の雪男に縋るしかなかった。

「ゆき…や… 課題…するからっ…あぁ!」
「もう遅い。こうなる前になぜやらない?」
「だ…ってぇ…あっ!」

正面から燐を抱き込み、部屋着として着用している短パンの前紐を器用にゆるめた。下着と一緒に後ろからズラし、臀部をあらわにする。

「やめっ ゆきっ」

あわてて片手を後方に伸ばし、短パンを引き上げようとする燐の腕を掴んで「もっと酷くされたい?」と囁いた。
その手が所在なげに宙を掻く。
「自分のせいだろ?観念して」少し強く、そう宣告する。
自分の肩にある燐の顔がひきつり、小さく息をのむ音が聞こえた。

「いい子だね、兄さん」

そう言いながら、クイと引き上げた尻尾の付け根にある、小さなすぼまりに指を伸ばす。その手には小さなチューブがあって、押し出された透明なジェルをそこにあてがうと、燐の身体がビクリと跳ねた。

「ひゃっ ぁ…」
「ごめん。冷たかったね」
「ちがっ…ゆき…そこ…や…」
「ほぐさないと、辛いのは兄さんよ。僕はべつにいいけど… 慣らさないで入れられたいの?」
「やだ…ちがう…、、も…やめ… っうっ 」

この先に与えられる痛みを想像したか、早くも目に涙をもりあげて息を詰める燐に、雪男は「今から泣くの?…もう少しは我慢してよ」と呆れ気味に囁いた。
どう拒否しても結局、雪男のペニスに貫かれるのだと悟って、燐はダメもとの許してを繰り返す。
だが、それを無視して差し込まれた両手の2本指が燐の後肛をゆっくりと左右に割り開く。
だんだんと暴かれる感覚と、括約筋をひらかれる物理的な痛みへの恐怖感に燐の身体は小刻みに震えた。

「ほら。力抜いて」
「…ば…  ムリ…っ」
「じゃ、無理に拡げるけど?」

左右へと引く力が一段と増して、燐は小さく悲鳴を上げた。

「もっ やめぇ ゆき…おねが…い…あ…あ゛…っ」

雪男の背中に強くしがみつき、全身に力を入れてガタガタと震える身体をもてあます燐の目尻からは、すでに何本もの涙のすじが伝っている。
いっそ早く貫いて、終らせてほしいと願い始めた燐のそこは、思いがけない感触に襲われた。

「な!!ん!なんだ…よっ!!!ゆきっ」
「大人しくして」

固く冷たいその感触は…。
恐ろしくて振り返って確認することもできない燐の目に、プリントと鉛筆しかない机が映る。

「ゆき! ソレ…」
「うん。ラムネの瓶」
「やめろ変態っ!!」
「そういうこと言う?」

急に暴れ出した燐の身体を、雪男は力づくで押さえ込んだ。

「逆らうなら容赦しないけど、いいの?」
「あ゛っ いて… やめ… 痛ぇよ… っ…っ…」

押し込まれるその瓶は、ジェルのすべりに助けられてじわじわと埋まって行く。細い首部分が侵入したあと、だんだんと太くなる本体に燐の息があがる。


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