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ピピピピピピピピピピピピピピピピ

部屋中に鳴り響く携帯のアラーム音にせき立てられ、雪男は重い瞼をゆっくりと開けた。
ぼんやりする頭を無理やり働かせ、現在の状況を素早く把握する。

(…0時に設定しておいたアラームが鳴ってるのか…)

どうやらいつも以上に濃厚だったセックスに疲れ果て、燐ともども自分は眠ってしまったようだ―そう思い至った雪男は、腕の中に抱き込んだ愛しい存在を、さらに強く抱き寄せた。

「…兄さん、27日になったよ」
優しく呼び掛ける。

「……ん…んんッ……」

すると鳴り止まないアラーム音のせいか、はたまた雪男の力が強過ぎたせいか、燐がふいに身じろいだ。しかし覚醒には及ばなかったのか、

「……ん……ゆきお……」

譫言のように小さく呟き、雪男にわずかに擦り寄っただけで結局燐が目を開けることはなかった。

「…兄さん…」

ふいに雪男は、燐と触れ合っている場所を伝わって“何か”が自分の身体の中心へ向かって流れ込んで来るのを感じた。
優しく温かな“何か”雪男はそれこそが、燐から雪男に与えられる唯一にして最上のプレゼントだと、その時改めて気が付いたのだった。

「…ありがとう兄さん」

雪男は眠る燐へとそっと口唇を寄せると、自分に身を預ける愛しい身体を抱き締めながら、もう一度口にした。

「…ありがとう、僕と一緒に生まれて来てくれて…ありがとう、僕を愛してくれて…ありがとう…ありがとう兄さん…」

来年も再来年もずっとずっと二人でいる為に。

「愛してる、燐―」

誓いの言葉とともに、祝福の口付けを雪男は燐へと与えた。

「―永遠に僕のモノだ」

限りない愛情と、とこしえの幸せ―それが僕からのあなたへの贈り物。

生まれてきてありがとう【完】

〜誕生日おめでとう!!雪男と燐の二人がいつまでも幸せでありますように〜

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HP→空をなくす/めび様

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