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「……ッく……んん、…ゃぁ……ゆ、ゆきぉ……」

獣が交尾をする姿で、雪男と燐は繋がっていた。
ギシギシとベッドが軋み音を立てるたび、燐の口唇から漏れる嬌声もその甘さを増していく。

「―兄さん、可愛い」

雪男は微かに微笑むと、手を伸ばし、二人が交わっている場所へと指を這わせた。
ミチミチと限界にまで拡げられた小さな後膣。
律動を止めた雪男は、その結合部を優しい仕種でそっと撫で始めた。
何度も何度もしつこい位に。
するとくすぐったかったのか、燐が桃尻をふいにゆらゆらと揺らし出した。
もちろん尻尾もそれに釣られ、フルフルと動き始める。
無意識だろう燐のその媚態に、しかしまんまと煽られた雪男がゴクリと喉を鳴らす。
指先を肉襞と肉棒の間に無理やり捩じ込み、今度は内側から結合部をなぞる。

「―兄さんのけつまんこ、僕のザーメンでグショグショだね」

雪男の言う通りだった。
燐の腹部は、すでに幾度となく注がれた雪男の精液でパンパンに膨らんでいた。
本来なら浣腸でもしない限り、男である燐の腸内が液体で満たされることなどまず有り得ないことだ。
しかしいま燐の胎内を侵食しているのは、まぎれもなく男の、それも実の双子の弟の子種。
それは雪男と燐がお互いを求め合ったが故の、当然の結果であった。

男同士という禁忌も
血を分けた兄弟という禁忌も
悪魔と人間という種族の禁忌すら乗り越えて、二人が出したたったひとつの答え。
男同士だとか兄弟だとか悪魔だとか人間だとか―そんなことはまるで関係なく、愛しているから。
だから愛し合う。
奥村雪男が奥村燐を愛し、奥村燐が奥村雪男を愛した―ただそれだけのこと。
それは愛のない男女間のセックスなどよりも、よほど幸せで満ち足りた愛の営みなのだ。

雪男は燐の内部から指を慎重に引き抜くと、そのままそれで勃起している未成熟な燐の性器を扱き始めた。
胎内ですっかりふやけてしまったその指は、雪男の精液と燐の腸液をしっかり纏い、ヌルヌルと滑らかな動きで燐の皮付きペニスに刺激を与えていく。

「――やッ!ゆきお!それやだッ!おちんちん!おちんちんこすんないでぇ――ッ!!!!」

燐が哀願の悲鳴を上げる。
しかし無情にもそれを聴き流した雪男は、再び激しい抽挿で燐のアナルを攻め始めた。

「兄さんッ!兄さんッ!」

激しく腰を打ち付けながら、雪男が燐を呼ぶ。

「――ッ、ひゃん!――らめぇ!――グリグリもっ、シコシコもっ、しちゃらめッ!らめなのぉ――ッ!!!!」

パンパンと肉のぶつかる音が響き渡る中、燐は一際高い嬌声を上げると、呆気なく雪男の掌へ白濁を吐き出した。
その瞬間、射精の刺激で燐の腸道がキュッと引き締まった。

「―くッ!―ちょ兄さん!イクの早過ぎッ!!」

思わず釣られてイキそうになった雪男の口から、八つ当たりじみた言葉が飛び出す。

「僕がイくまで付き合ってもらうから!」

そう言い捨てると、雪男はより深い場所での繋がりを求めるかのように、自身の肉棒を燐の最奥目掛けてさらに激しく突き挿れ始めた。

「もっとッ!!もっとだよ兄さんッ!!!!」

身の内から沸き起こる衝動に突き動かされるまま、雪男は両手で燐の細腰を抱え上げると、上からその身を落としながら、燐自身の自重を加え、交わりをますます深めていく。
だがそれでも足りない。
足りないのだ。
燐は雪男が求めれば求めるだけ差し出してくれる。
身体も心も。
けれど満たされたと思った次の瞬間には、またそれ以上の欲が雪男を支配するのだ。
燐を欲する気持ちに際限はなく、それは渇き病にも似て雪男の身と心を苦しめ止まない。

「兄さんッ!愛してるッ!兄さんッ!」

雪男は首を動かすと、目の前でフルフルと揺れていた燐の尻尾に勢い良く噛み付いた。

「やあああぁぁぁ―――――ッ!!!!」

弱点である尻尾を弄られ、すかさず燐が精を吐き出す。

「兄さんッ!!!!!!」

そして一瞬で絶頂を迎えた燐の後を追い、今度こそ雪男も押し寄せる快感の波にその身を委ねたのだった。


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