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「今日ぐらい後片付けしなくてもいいんじゃない?」
「いいんだよ。皆美味いって言ってくれたし…」
「そうじゃなくて、誕生日なんだから甘えなよ」
「だからだよ」
「えっ?」
「誕生日だからちゃんと自分でやりたいんだ。今年も俺やったぜって」
「なにそれ…じゃあ僕も手伝う」
「いいよ。お前皿割るし」
「割ったことないけど」
「いいから、ゆっくりして…っ!」

突然後ろに肩を引かれ振り向かされる。がしっと腰に腕が回り、燐は流しのふちで自分の体を支える体勢で雪男からの口付けに甘んじた。

「んっ…はぁ…ちゅ」

どちらのかわからない唾液が銀糸を引いて離れる。

「雪男?…眉間にシワ寄ってるぞ」
「…っ…なんで…兄さんはそんなに…僕ばっかりを祝うんだよ…」
「急にどうしたんだよ」
「僕だって兄さんの誕生日祝いたいのに…いつも兄さんに祝われてばっか…今回こそはって思ってたのに!」
「…うん」

雪男は燐をきつく抱き締め、肩に額を置く。

「あー離れたくないよ」
「今それ言うなよ」
「あっそうだ!兄さんこれあげるね」

そう言うと抱き締めたままポケットを漁る。すると黒い袋に銀でリボンされてるものが出てきた。

「兄さんはすぐ財布をなくすからね。これ使って」

渡された袋の中にはチェーンが入っていた。

「おぉ!雪男ありがとう」
「どう致しまして」
「ごめんな…モノじゃなくて」
「ううん、美味しかったよ。兄さんありがとう」
「へへっちゃんと伝わってんな」
「今更何言ってんの?僕ら双子だよ」
「普通の双子はこんなことしないだろ…ちゅっ」
「兄さんからしてもらえるなんて…!明日嵐?」
「おい…来年も帰ってこいよな」

少し俯いて燐は言った。しかし、雪男に顔を上げられ目が合う。

「ちゃんと目を見て言って」
「っ!!来年も一緒に祝いたいっ!!」
「うん」


その後、仲良く後片付けする双子を藤本氏が写真に残していた。


END
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HP→Black Angle/稔唯京華様

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