2

「俺だってやれば出来るんだ…」
「…にしても…」
「今まではひでぇ結果だったから、いきなり90とか驚くよな」
「…」
「今までのが嘘だって言ったらどうする?」
「えっ?」
「勝呂並みにデキルって言ったらどうする?」
「兄さん?」
「俺が…」

抱きしめていた腕をゆるめ耳元でそっと囁いた。

「雪男に構って欲しいから」
「兄さん…なに…」
「バカな方が構ってくれんだろ?」
「えっ…」
「だからワザとバカな振りしてたんだ…でも、もう限界」

きゅっと僕のコートを握り顔を上げて目を合わせる。
一瞬淋しそうな目をしたから、思わず目を見開くと兄さんはそっと顔を近づけた。
僕は動くのも忘れて兄さんの目をジッと見つめる事しかできなかった。

「これからは…真面目にすっから…俺の事ずっと見てろ」
「…兄さん…」
「なぁ…俺だけを見て…」

目をそっと閉じ顔を傾けてキスされた。
薄く開いた唇から舌で僕の舌を誘い絡め取るようにねっとりと交わらす。
時折、静まり返った部屋に水音だけが響き一つの興奮材料に過ぎなかった。

「んっ…ちゅくちゅく…」
「…っン…」
「あふっ…ゆきっ…お…ちゅっちゅ」
「っ!!」

がっしりと頭に手を回され何度も角度を代えてキスをされる。
抜き出しする舌が別の生き物みたく動き、その動きが本能的で気持ちが良い。
別人みたくキスが巧くなった兄さんに疑問を持ちながらも、今はただ目の前の快楽に身を委ねてみた。
どのくらいキスをしていただろうか。
兄さんが積極的になるなんて…。
時間を忘れるくらいに交わした口付けの後、兄さんは涎まみれで口が半開きになっていて凄く官能的だった。

「…はぁ…っはぁ…」
「ねぇ…兄さん?」
「んっ…?なんだ…よ…」
「どこでそんなキス覚えてきたのさ」

すると兄さんは妖しく笑って唇に人指し指を立てた。

「言っただろ?俺はやれば出来るんだって」


---------
HP→mix berry/ゆきげ様

novel


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -