愛の天秤は180゚
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『ん、はァッ...い...』
十分に蕩けた其処をゆっくりと押し開いてくる熱い塊。
細い指とは比べ物にならないくらいの異物感に私はからからな喉を通して苦しげに息を吐く。
重ねられた掌を痛みで強く握り碧瞳を見つめれば、斎藤先輩は少し悲痛な顔をして優しく笑ってくれる。
「...千鶴分かるか。今、全て入った」
『ッ...本当...ですね...斎藤先輩のが全部...』
あんなに苦しかった筈の質量が私の中に収まりきっていて、怖いやら嬉しいやらで必死に言葉を紡ぐ。
息を調える私を待ちつつも労るようにゆるゆると彼は腰を前後させてきた。
一瞬の鈍い痛みを伴ったソレは徐々にもどかしく甘い疼きにかわる。
「く...千鶴、余り締め付けるな...ッ此れでは、持たなくな、る」
乱れる髪から覗く汗ばむ額から滑り落ちる滴が私の肩を濡らす。
私は少しでも下肢の力を弛めようと脳みそでは命令するのに唇を開けば漏れるのは自分でも聴いたことのない声で思考すら奪う電流の如く走る官能的な刺激に耐える統べをしらない。
結局、私は優しさに甘え彼の下で未知の快楽に狂った様に喘ぐだけだった。
それでも、最後まで碧瞳は温かな心地良い色を宿し私を映して微笑んだ。
“好きだ。...もう千鶴、お前を離してやれそうにないくらい...愛してる”
そう私の耳元で最愛の貴方の声が聞こえてくる。
“私もです”...。
潤む視界越しに見えた斎藤先輩の顔はわからないのに、触れるだけの口付けが彼の気持ちを現している気がして私は微笑むように眠りに落ちた。
その後、此処が学校である事を思い出した先輩は気遣ってか分かっていながら傍に付いてくれていたらしい。
斎藤先輩が私の肩を揺らしたのは、午前の授業が全て終わった昼頃だった...。
end
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☆反省
此処まで読んで下さったら千鶴様有難うございます。
もう、斎藤さん天使すぎ!あざと可愛すぎて此方が照れる!w
今、とても斎藤さんにお熱。
授業さぼって風紀乱しまくった一くんはきっと後で夢主と一緒に怒られますww
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[mokuji]
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